スポーツ版自己調整学習尺度の開発

「はじめに」 スポーツや勉強など様々な学習場面において, 同定度の時間を費やしている学習者の間で, 最終的なパフォーマンスレベルに差が生じることがしばしばある. この原因として, 学習者間の生得的な要因が関与していると考えられることがあるが, それ以上に学習過程の質といった後天的な要因が関与していることが報告されている. その代表的なものとして, Ericsson et al. (1993)は, スポーツや音楽など, 様々な領域における熟達したパフォーマンスは, 生まれ持った能力や才能ではなく, 上達を目的に入念に計画された練習(意図的計画的練習)にどの程度取り組んできたかによって説明できると...

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Published inJapanese journal of sport psychology Vol. 44; no. 1; pp. 1 - 17
Main Authors 藤田, 勉, 幾留, 沙智, 森, 司朗, 中本, 浩揮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 日本スポーツ心理学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN0388-7014
1883-6410
DOI10.4146/jjspopsy.2016-1605

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Summary:「はじめに」 スポーツや勉強など様々な学習場面において, 同定度の時間を費やしている学習者の間で, 最終的なパフォーマンスレベルに差が生じることがしばしばある. この原因として, 学習者間の生得的な要因が関与していると考えられることがあるが, それ以上に学習過程の質といった後天的な要因が関与していることが報告されている. その代表的なものとして, Ericsson et al. (1993)は, スポーツや音楽など, 様々な領域における熟達したパフォーマンスは, 生まれ持った能力や才能ではなく, 上達を目的に入念に計画された練習(意図的計画的練習)にどの程度取り組んできたかによって説明できるという理論を提案しており, 様々な領域で支持されている(e.g., Helsen et al., 1998;Starkes et al., 1996). つまり, より高いパフォーマンスレベルへの到達を目指す場合, 指導者や学習者は取り組んでいる学習過程の質に目を向けるべきであり, そのために, 学習過程の質を評価できる指標を作成することは有用であると考えられる.
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ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2016-1605