胸腔鏡で確定診断に至った壁側胸膜再発腎細胞癌の1例
背景.腎細胞癌の胸部領域への転移形式は肺内転移や気管支内転移が多く,胸膜転移は稀である.胸壁腫瘍を呈し肺内転移を伴わない腎細胞癌の壁側胸膜転移に対して,全身麻酔下胸腔鏡下胸膜生検で確定診断に至った症例について報告する.症例. 75歳男性.全身倦怠感を主訴に当院を受診した.胸部X線で右胸水を認め,胸部CTでは右胸水及び右胸膜腫瘍を認めた. 1週間後胸水の増量とともに呼吸困難が出現し,入院となった.胸腔ドレナージ施行後に複数回胸水細胞診を施行したが確定診断を得られず,全身麻酔下に胸腔鏡下胸膜生検を施行した.術中に胸膜表面に易出血性の結節を認め,病理検査で腎細胞癌の胸膜転移と診断した.結語.特に胸水...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 35; no. 2; pp. 215 - 219 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2013
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.35.2_215 |
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Summary: | 背景.腎細胞癌の胸部領域への転移形式は肺内転移や気管支内転移が多く,胸膜転移は稀である.胸壁腫瘍を呈し肺内転移を伴わない腎細胞癌の壁側胸膜転移に対して,全身麻酔下胸腔鏡下胸膜生検で確定診断に至った症例について報告する.症例. 75歳男性.全身倦怠感を主訴に当院を受診した.胸部X線で右胸水を認め,胸部CTでは右胸水及び右胸膜腫瘍を認めた. 1週間後胸水の増量とともに呼吸困難が出現し,入院となった.胸腔ドレナージ施行後に複数回胸水細胞診を施行したが確定診断を得られず,全身麻酔下に胸腔鏡下胸膜生検を施行した.術中に胸膜表面に易出血性の結節を認め,病理検査で腎細胞癌の胸膜転移と診断した.結語.特に胸水細胞診で確定診断に至らない症例に対して,胸腔鏡下検査は安全に胸水及び胸壁腫瘍の診断が行え,有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.35.2_215 |