気道ステント留置を安全に施行するための経皮的心肺補助法(PCPS)の検討(<特集>気道狭窄に対する気管支鏡下治療)

気道ステント留置の際,高度の狭窄症例では窒息死の危険性が常にある.しかし我々はステントの留置に際しては,常に最善を尽くし安全に行わなければならない.目的.気道ステント留置を安全に行うための経皮的心肺補助法(PCPS)の有用性の検討を行った.方法.1998年から高度の気道狭窄症例に対し27症例のステント治療を行い,窒息死の危険性の高い10例でPCPSを用いた.PCPS回路として2例でV-A (veno-arterial)バイパス法を,8例でV-V(veno-venous)バイパス法を用いた.これら症例の麻酔時間,PCPSを施行していた時間,酸素飽和度の変動,動脈血液ガス分折中のO_2, CO_2...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 7; pp. 520 - 529
Main Authors 南, 寛行, 長島, 聖二, 荒木, 潤, 小田, 敏郎, 浅井, 貞宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.7_520

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Summary:気道ステント留置の際,高度の狭窄症例では窒息死の危険性が常にある.しかし我々はステントの留置に際しては,常に最善を尽くし安全に行わなければならない.目的.気道ステント留置を安全に行うための経皮的心肺補助法(PCPS)の有用性の検討を行った.方法.1998年から高度の気道狭窄症例に対し27症例のステント治療を行い,窒息死の危険性の高い10例でPCPSを用いた.PCPS回路として2例でV-A (veno-arterial)バイパス法を,8例でV-V(veno-venous)バイパス法を用いた.これら症例の麻酔時間,PCPSを施行していた時間,酸素飽和度の変動,動脈血液ガス分折中のO_2, CO_2分圧の変動などを検討した.結果.PCPS下に全例,安全にステント留置を行うことができた.ステント留置の場合は, PCPS回路の方法としてV-Vバイパス法が,V-Aバイパス法より酸素分圧が安定し,安全にでき,また終了時に血管縫合の必要がなく手技も容易であった.結論.高リスクの気道ステント留置にPCPSは有用で,V-Aバイパス法よりV-Vバイパス法が安定性があり簡便であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.7_520