実臨床における気管支腔内超音波併用ガイドシース法と通常気管支鏡検査の比較 : 肺悪性腫瘍の診断に関して

背景.気管支腔内超音波併用ガイドシース法(EBUS-GS)が普及しているが,通常気管支鏡との実臨床における使い分けがはっきりしていない.当院における両システムの使い分けを後ろ向きで解析してその傾向を明らかにした.対象と方法.2010年4月1日から2011年3月31日までの期間に,当科にて肺癌の精査目的で経気管支肺生検を受けた症例を対象として,診断に影響を与えた因子についての統計学的解析を行った.結果.当科におけるEBUS-GSにおける肺癌診断率は69.4%であった.CTで結節がsolidでX線透視にて可視のものが診断しやすい傾向にあった.EBUS-GSは腫瘍径が20mmを超えると診断率が有意に...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 2; pp. 126 - 131
Main Authors 谷口, 寛和, 早田, 宏, 竹本, 真之輔, 長島, 聖二, 池田, 喬哉, 飯田, 哲也, 溝口, 孝輔, 中村, 洋一, 元島, 幸平, 河野, 茂, 嶋田, 緑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.2_126

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Summary:背景.気管支腔内超音波併用ガイドシース法(EBUS-GS)が普及しているが,通常気管支鏡との実臨床における使い分けがはっきりしていない.当院における両システムの使い分けを後ろ向きで解析してその傾向を明らかにした.対象と方法.2010年4月1日から2011年3月31日までの期間に,当科にて肺癌の精査目的で経気管支肺生検を受けた症例を対象として,診断に影響を与えた因子についての統計学的解析を行った.結果.当科におけるEBUS-GSにおける肺癌診断率は69.4%であった.CTで結節がsolidでX線透視にて可視のものが診断しやすい傾向にあった.EBUS-GSは腫瘍径が20mmを超えると診断率が有意に上昇した(p<0.05).通常気管支鏡は40mmを超えると有意であった(p<0.001).ミダゾラム,リドカイン使用量や有害事象では両者間に差はなかったが,被曝量はEBUS-GS群が有意に多かった(p<0.001).結語.EBUS-GSは小型の陰影の診断に適切であるが,すりガラス陰影主体の透視で見えない20mm以下の結節は診断が困難であった.また,通常気管支鏡より被曝量が多くなる傾向が示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.2_126