挿管後および気管切開後の気管狭窄に対するTチューブステント療法

背景.挿管後および気管切開後の気管狭窄に対する治療は狭窄部気管の切除,端々吻合が最も確実とされてきたが,近年は気道内治療の良好な成績が多数報告されている.目的.挿管後および気管切開後の気管狭窄に対しTチューブステント療法を行った4例を検証し,気道内治療の有用性と限界について検討した.対象.2003年6月から2009年6月までに当科で経験した挿管後気管狭窄の3例と気管切開後気管狭窄の1例とした.結果.すべての症例でマイクロ波を使用して狭窄部の拡張を行った後,Tチューブステント療法を施行した.4例中2例で狭窄の解除が得られたが,2例は再狭窄を生じTチューブを再留置した.結論.マイクロ波を使用した拡...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 5; pp. 402 - 408
Main Authors 水渡, 哲史, 吉津, 晃, 石塚, 広司, 亀山, 洋樹, 橋本, 浩平, 藤本, 博行, 安田, 浩之, 小山, 孝彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.5_402

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Summary:背景.挿管後および気管切開後の気管狭窄に対する治療は狭窄部気管の切除,端々吻合が最も確実とされてきたが,近年は気道内治療の良好な成績が多数報告されている.目的.挿管後および気管切開後の気管狭窄に対しTチューブステント療法を行った4例を検証し,気道内治療の有用性と限界について検討した.対象.2003年6月から2009年6月までに当科で経験した挿管後気管狭窄の3例と気管切開後気管狭窄の1例とした.結果.すべての症例でマイクロ波を使用して狭窄部の拡張を行った後,Tチューブステント療法を施行した.4例中2例で狭窄の解除が得られたが,2例は再狭窄を生じTチューブを再留置した.結論.マイクロ波を使用した拡張術は気道確保のための初期治療として有用であった.Tチューブの安全性と有用性が確認できたが,気管軟骨の損傷が激しく,軟化症を伴っているような場合はステント治療による治癒は難しいと考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.5_402