気管支内視鏡検査のアプローチの手順が末梢肺病変の診断率に与える影響

背景.気管支内視鏡検査による経気管支生検とブラシ擦過は肺病変の診断に有用な検査であり,診断率向上のためには両手技を行うことが推奨されている.しかし検査の有害事象により一方しか実施できない場合もあり,先行アプローチの選択が診断率に寄与する可能性がある.目的.本研究では,末梢肺野病変に対する病変アプローチの手順が診断率と有害事象に及ぼす影響を検討した.方法.対象は2009年10月から2012年9月に外科的手術で肺癌と確定診断された症例.術前の気管支内視鏡検査の先行アプローチ方法により経気管支生検先行群とブラシ擦過先行群の2群間に分けて,診断率および有害事象を後方視的に比較検討した.結果.全解析対象...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 37; no. 2; pp. 148 - 152
Main Authors 小林, 岳彦, 丸毛, 聡, 加藤, 元一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2015
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.37.2_148

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Summary:背景.気管支内視鏡検査による経気管支生検とブラシ擦過は肺病変の診断に有用な検査であり,診断率向上のためには両手技を行うことが推奨されている.しかし検査の有害事象により一方しか実施できない場合もあり,先行アプローチの選択が診断率に寄与する可能性がある.目的.本研究では,末梢肺野病変に対する病変アプローチの手順が診断率と有害事象に及ぼす影響を検討した.方法.対象は2009年10月から2012年9月に外科的手術で肺癌と確定診断された症例.術前の気管支内視鏡検査の先行アプローチ方法により経気管支生検先行群とブラシ擦過先行群の2群間に分けて,診断率および有害事象を後方視的に比較検討した.結果.全解析対象は116名(経気管支生検先行群33名,ブラシ擦過先行群83名).2群間で患者背景に差はなかった.経気管支生検先行群ではブラシ擦過先行群よりも有意に診断率が高く(54.5% vs 31.3%, p=0.002),出血が少なかった(30.0% vs 66.3%, p=0.001).結論.末梢肺野病変に対する病変アプローチの手順としては,ブラシ擦過に対し経気管支生検を先行させるほうが診断率は高い可能性が示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.37.2_148