術後気管支狭窄にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症様の病態を合併した1例
背景.術後気管支狭窄にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis,以下ABPA)を合併した報告は少ない.今回,術後気管支狭窄にABPA様の病態を合併した症例を経験したため報告する.症例. 44歳男性,主訴は労作時息切れ.既往に小児期より認める喘鳴, 18歳時の左気胸および左下葉気管支入口部カルチノイド手術歴(左下葉切除,気管支形成術)がある. X-1年12月末より咳があり, X年1月下旬より労作時息切れを認め近医を受診,胸部単純X線写真にて左無気肺を認め当院紹介受診となった.結果.気管支鏡では左主気管支終末部で閉塞を認め...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 37; no. 2; pp. 203 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2015
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.37.2_203 |
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Summary: | 背景.術後気管支狭窄にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis,以下ABPA)を合併した報告は少ない.今回,術後気管支狭窄にABPA様の病態を合併した症例を経験したため報告する.症例. 44歳男性,主訴は労作時息切れ.既往に小児期より認める喘鳴, 18歳時の左気胸および左下葉気管支入口部カルチノイド手術歴(左下葉切除,気管支形成術)がある. X-1年12月末より咳があり, X年1月下旬より労作時息切れを認め近医を受診,胸部単純X線写真にて左無気肺を認め当院紹介受診となった.結果.気管支鏡では左主気管支終末部で閉塞を認めており,同部位の生検にて気管支粘膜に好酸球浸潤を,気管支洗浄液にてAspergillus fumigatus (A. fumigatus)を認めた.その後,鋳型の痰を喀出された後より左無気肺は改善を認めた.改善後の気管支鏡および胸部CTでは術後気管支狭窄を認めるのみであった.結論.術後気管支狭窄部のA. fumigatus感染が原因と考えられたABPA様の病態を呈した症例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.37.2_203 |