特徴的な気道粘膜病変を呈した水痘肺炎の1例

背景.水痘肺炎は予後不良で早期の診断を要する.症例.92歳女性.関節リウマチに対してメソトレキセート(以下MTX)8mg/週とプレドニゾロン10mg/日を使用していた.全身の皮疹と発熱を主訴に当院を受診し汎発性帯状疱疹と診断された.胸部CTでは両側肺野に広範なスリガラス影と辺縁不明瞭な多発結節影を認め,気管支鏡検査で周囲粘膜の発赤を伴った潰瘍性病変を認めた.気管支肺胞洗浄液のVZV-PCRが陽性であり,水痘肺炎の診断に至った.MTX中止のうえで高用量のアシクロビルを使用し,呼吸状態,画像所見,血液データとも速やかに改善した.結語.特徴的な気道粘膜病変により早期診断が可能であった.水痘肺炎が免疫...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 4; pp. 412 - 416
Main Authors 金子, 正博, 西尾, 智尋, 木田, 陽子, 豆鞘, 伸昭, 山下, 修司, 冨岡, 洋海, 金田, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.4_412

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Summary:背景.水痘肺炎は予後不良で早期の診断を要する.症例.92歳女性.関節リウマチに対してメソトレキセート(以下MTX)8mg/週とプレドニゾロン10mg/日を使用していた.全身の皮疹と発熱を主訴に当院を受診し汎発性帯状疱疹と診断された.胸部CTでは両側肺野に広範なスリガラス影と辺縁不明瞭な多発結節影を認め,気管支鏡検査で周囲粘膜の発赤を伴った潰瘍性病変を認めた.気管支肺胞洗浄液のVZV-PCRが陽性であり,水痘肺炎の診断に至った.MTX中止のうえで高用量のアシクロビルを使用し,呼吸状態,画像所見,血液データとも速やかに改善した.結語.特徴的な気道粘膜病変により早期診断が可能であった.水痘肺炎が免疫不全患者に発症した場合の予後は悪く,速やかな診断と抗ウイルス治療を要する.日和見感染症の鑑別の一つに挙げる必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.4_412