気管支動脈造影及びAngio CTで濃染し,血管性病変との鑑別が困難であった肺カルチノイドの1例
背景.肺カルチノイドは血管に富む腫瘍で,気管支鏡(BF)所見では表面平滑な腫瘍であるため血管性病変との鑑別が困難な場合がある.また気管支動脈造影(BAG)所見に関する報告は少なく,気管支動脈造影下CT所見の報告はない.症例.79歳男性.自覚症状.6年前より胸部CTにて右上葉S^2に辺縁明瞭で造影効果に乏しい楕円状の腫瘍影を認め,徐々に増大したために精査を行った.BFでは右B^2_入口部を閉塞するポリープ様病変を認めたが,表面平滑で拍動をしていたため生検は行わなかった.BAGでは腫瘍に一致した濃染域を認めた.増大傾向の上,腫瘍内血管の破綻により大量喀血を惹起する可能性を考慮し,治療として外科的切...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; pp. 521 - 525 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.28.7_521 |
Cover
| Summary: | 背景.肺カルチノイドは血管に富む腫瘍で,気管支鏡(BF)所見では表面平滑な腫瘍であるため血管性病変との鑑別が困難な場合がある.また気管支動脈造影(BAG)所見に関する報告は少なく,気管支動脈造影下CT所見の報告はない.症例.79歳男性.自覚症状.6年前より胸部CTにて右上葉S^2に辺縁明瞭で造影効果に乏しい楕円状の腫瘍影を認め,徐々に増大したために精査を行った.BFでは右B^2_入口部を閉塞するポリープ様病変を認めたが,表面平滑で拍動をしていたため生検は行わなかった.BAGでは腫瘍に一致した濃染域を認めた.増大傾向の上,腫瘍内血管の破綻により大量喀血を惹起する可能性を考慮し,治療として外科的切除を行った.病理診断は定型的カルチノイドであった.結論.BF, BAGにて血管性病変との鑑別が困難な腫瘍の場合,カルテノイドの可能性も考慮するべきである. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.28.7_521 |