大腸癌気管転移による多発性気道狭窄に対し喉頭動脈塞栓術後に高周波スネア治療を施行し窒息を回避しえた1例
背景.大腸癌の気管支内転移は予後が悪く, 2年以内の生命予後であるとされている.症例.症例は44歳女性. S状結腸癌術後6年目に血痰,喘鳴,呼吸困難を主訴に受診し,全身CTで気管内に多数の腫瘍を認め,気管内転移と診断された.出血リスクの軽減と腫瘍縮小効果を期待し,内視鏡治療前日に喉頭動脈塞栓術を行った.気管狭窄を伴ったハイリスク症例のため膜型人工肺を併用し,ラリンジアルマスクで気道確保して,高周波スネアで多発性隆起性病変を切除した.処置後気道狭窄症状は消失した.その後放射線化学療法を追加し,気管腫瘍は完全寛解した.結論.大腸癌術後6年目に多発気管内転移による気道狭窄を呈した1例を経験した.気道...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 34; no. 6; pp. 604 - 610 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2012
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.34.6_604 |
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Summary: | 背景.大腸癌の気管支内転移は予後が悪く, 2年以内の生命予後であるとされている.症例.症例は44歳女性. S状結腸癌術後6年目に血痰,喘鳴,呼吸困難を主訴に受診し,全身CTで気管内に多数の腫瘍を認め,気管内転移と診断された.出血リスクの軽減と腫瘍縮小効果を期待し,内視鏡治療前日に喉頭動脈塞栓術を行った.気管狭窄を伴ったハイリスク症例のため膜型人工肺を併用し,ラリンジアルマスクで気道確保して,高周波スネアで多発性隆起性病変を切除した.処置後気道狭窄症状は消失した.その後放射線化学療法を追加し,気管腫瘍は完全寛解した.結論.大腸癌術後6年目に多発気管内転移による気道狭窄を呈した1例を経験した.気道インターベンションを早期に実施することで,気道狭窄を改善させ,その後の十分な追加治療を行いえた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.6_604 |