気管支肺胞洗浄液のセルブロック標本が診断に有用であった肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例

背景.肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis : PLCH)は,ランゲルハンス細胞の非腫瘍性増殖と多発性肺嚢胞形成を特徴とする肺に限局した原因不明の疾患で,その病態に喫煙が関与することが示唆されているが,気管支鏡検査による気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage : BAL),経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy : TBLB)検体からのPLCHの診断率はけっして高くない.症例. 38歳,女性.喫煙歴 ; 20本/日×20年間.湿性咳嗽を主訴に当院を受診した.胸部CTでは両...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 37; no. 2; pp. 240 - 244
Main Authors 野尻, 正史, 小島, 好司, 中瀬, 啓介, 栂, 博久, 四宮, 祥平, 高原, 豊, 中川, 研, 水野, 史朗, 藤本, 由貴, 及川, 卓, 加藤, 諒, 長内, 和弘, 齋藤, 雅俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2015
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.37.2_240

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Summary:背景.肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis : PLCH)は,ランゲルハンス細胞の非腫瘍性増殖と多発性肺嚢胞形成を特徴とする肺に限局した原因不明の疾患で,その病態に喫煙が関与することが示唆されているが,気管支鏡検査による気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage : BAL),経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy : TBLB)検体からのPLCHの診断率はけっして高くない.症例. 38歳,女性.喫煙歴 ; 20本/日×20年間.湿性咳嗽を主訴に当院を受診した.胸部CTでは両側上葉優位の多発性の小結節影,嚢胞状陰影を認めた.気管支鏡検査を施行し右B^5よりBAL,右S^4, S^5よりTBLBを行った.結果. TBLB組織では特異的な所見は得られなかったが, BAL液のセルブロック標本にて多数のCD1aおよびS-100蛋白陽性の組織球が認められ, PLCHと診断した.結語. BAL液のセルブロック標本が診断に有用であったPLCHの1例を経験したので報告した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.37.2_240