有茎性に発育した小児気管内平滑筋腫の1例
背景.気管気管支平滑筋腫は比較的稀な疾患である.特に,15歳以下の小児に発生した気管内平滑筋腫は本邦ではこれまでに4例の報告をみるのみである.症例.症例は12歳,男性.睡眠時喘鳴,呼吸困難が出現し,気管支喘息として投薬治療を受けたが改善せず,胸部X線,CTにて気管内腫瘍と診断された.全身麻酔下に内視鏡的摘出術を施行した.腫瘍は気管内腔をほぼ閉塞し,膜様部に茎を有していた.ホットバイオプシーを用いて茎部を切離し,腫瘍を摘出した.病理診断は平滑筋腫であった.術後経過は良好で術後2年再発なく経過している.結論.有茎性気管腫瘍に対しては,ホットバイオプシーなどの内視鏡的治療が有効だが,その施行にあたっ...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 7; pp. 505 - 509 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2002
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.24.7_505 |
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Summary: | 背景.気管気管支平滑筋腫は比較的稀な疾患である.特に,15歳以下の小児に発生した気管内平滑筋腫は本邦ではこれまでに4例の報告をみるのみである.症例.症例は12歳,男性.睡眠時喘鳴,呼吸困難が出現し,気管支喘息として投薬治療を受けたが改善せず,胸部X線,CTにて気管内腫瘍と診断された.全身麻酔下に内視鏡的摘出術を施行した.腫瘍は気管内腔をほぼ閉塞し,膜様部に茎を有していた.ホットバイオプシーを用いて茎部を切離し,腫瘍を摘出した.病理診断は平滑筋腫であった.術後経過は良好で術後2年再発なく経過している.結論.有茎性気管腫瘍に対しては,ホットバイオプシーなどの内視鏡的治療が有効だが,その施行にあたっては術中の呼吸管理など十分な注意が必要と思われた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.7_505 |