特発性血気胸手術例の検討

背景.特発性血気胸は比較的稀な疾患である.特発性血気胸手術について臨床的特徴を検討した.対象. 2008年11月から2013年10月までに施行した気胸手術例は91例で,そのうち特発性血気胸手術例は5例(5.5%)であった.結果.年齢は18歳から74歳で,全例が男性,胸痛で発症し,初発であった.入院翌日に血気胸と診断され緊急手術が行われた症例が3例あった.手術開始時までの総出血量は410mlから2100ml (平均1098ml)であったが,ショック症状を呈し輸血を要した症例はなく,癒着例1例を除いた4例に胸腔鏡下手術を行った.胸膜頂の索状癒着断端が出血源と推定され,止血した.術後のドレーン留置期...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 37; no. 2; pp. 159 - 162
Main Authors 前田, 浩義, 原田, 亜紀子, 中前, 勝視, 冨田, 勇樹, 島, 由子, 遠藤, 克彦, 田中, 宏紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2015
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.37.2_159

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Summary:背景.特発性血気胸は比較的稀な疾患である.特発性血気胸手術について臨床的特徴を検討した.対象. 2008年11月から2013年10月までに施行した気胸手術例は91例で,そのうち特発性血気胸手術例は5例(5.5%)であった.結果.年齢は18歳から74歳で,全例が男性,胸痛で発症し,初発であった.入院翌日に血気胸と診断され緊急手術が行われた症例が3例あった.手術開始時までの総出血量は410mlから2100ml (平均1098ml)であったが,ショック症状を呈し輸血を要した症例はなく,癒着例1例を除いた4例に胸腔鏡下手術を行った.胸膜頂の索状癒着断端が出血源と推定され,止血した.術後のドレーン留置期間は2日から4日(平均2.8日),術後3日から7日(平均4.2日)で退院した.結論.特発性血気胸に対する早期の胸腔鏡下手術は低侵襲で,安全かつ有用な方法で,治療の第一選択としても良いと考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.37.2_159