ガイドシース下経気管支穿刺吸引針生検が診断に有用であった耳下腺原発孤立性線維性腫瘍の肺転移の1例

症例. 72歳男性.肺がん検診で胸部X線異常陰影を指摘され,胸部CT検査で多発肺病変を認め,転移性肺腫瘍が疑われた.既往として, 43歳時に右耳下腺の孤立性線維性腫瘍(SFT)を手術し, 60歳時に局所再発して手術歴がある.当院を紹介受診し,診断目的に気管支鏡検査を施行.最大径の右S^1bの腫瘤に対して太径ガイドシース(GS)を用いてガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を行ったが,右B^1bは腫瘍外を通過しており, EBUSではプローブは病変内に入らず,辺縁に接するのみであったため,同病変に対して処置具ポートとチューブの接合部より3cm短く切断した太径GS下に経気管支穿刺吸...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 1; pp. 37 - 41
Main Authors 笹田, 真滋, 土田, 敬明, 出雲, 雄大, 内海, 裕文, 田中, 彩子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.1_37

Cover

More Information
Summary:症例. 72歳男性.肺がん検診で胸部X線異常陰影を指摘され,胸部CT検査で多発肺病変を認め,転移性肺腫瘍が疑われた.既往として, 43歳時に右耳下腺の孤立性線維性腫瘍(SFT)を手術し, 60歳時に局所再発して手術歴がある.当院を紹介受診し,診断目的に気管支鏡検査を施行.最大径の右S^1bの腫瘤に対して太径ガイドシース(GS)を用いてガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を行ったが,右B^1bは腫瘍外を通過しており, EBUSではプローブは病変内に入らず,辺縁に接するのみであったため,同病変に対して処置具ポートとチューブの接合部より3cm短く切断した太径GS下に経気管支穿刺吸引針生検(GS-TBNA)を施行した.結果.病理では既往のSFTと類似した所見であり, SFTの肺転移と診断した.結論.病変内に気管支が到達していない転移性肺腫瘍などの診断には, GS-TBNAが有用と考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.1_37