肺炎を契機に発見された後天性気管支閉鎖の1例
背景.画像診断の進歩に伴い先天性気管支閉鎖症の報告が増加するなか,後天性要因を示唆する気管支閉鎖症例の報告も散見される.我々は,後天性気管支閉鎖の1例を経験したので報告する.症例.55歳,女性.咳,胸痛,微熱の持続および胸部異常影が出現し,当センター受診.気管支鏡,胸部CTにて左B^6の閉鎖,閉鎖部末梢の浸潤影と診断した.抗生剤の内服で臨床所見は改善,経過観察としたが,6ヶ月後血痰が出現し入院.胸部CTにて左S^6の浸潤影内部の低吸収域が増大していた.超音波ガイド下穿刺培養検査にて緑膿菌が培養された.肺感染症を繰り返すため,左S^6区域切除術を施行した.切除肺を検討し,気管支閉鎖は,気管支の炎...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 26; no. 5; pp. 448 - 453 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2004
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.26.5_448 |
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Summary: | 背景.画像診断の進歩に伴い先天性気管支閉鎖症の報告が増加するなか,後天性要因を示唆する気管支閉鎖症例の報告も散見される.我々は,後天性気管支閉鎖の1例を経験したので報告する.症例.55歳,女性.咳,胸痛,微熱の持続および胸部異常影が出現し,当センター受診.気管支鏡,胸部CTにて左B^6の閉鎖,閉鎖部末梢の浸潤影と診断した.抗生剤の内服で臨床所見は改善,経過観察としたが,6ヶ月後血痰が出現し入院.胸部CTにて左S^6の浸潤影内部の低吸収域が増大していた.超音波ガイド下穿刺培養検査にて緑膿菌が培養された.肺感染症を繰り返すため,左S^6区域切除術を施行した.切除肺を検討し,気管支閉鎖は,気管支の炎症性報復によるものと判断した.瘢痕内に,結核やサルコイドーシスなどを示唆する特異的所見は得られず,原因は特定できなかった.結語.気管支閉鎖の症例においては,先天性気管支閉鎖症のみでなく後天性気管支閉鎖も考慮し,鑑別診断をする必要がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.26.5_448 |