ラリンジアルマスクと軟性気管支鏡を用いた小児気管支異物摘出の1例

背景.気管支内異物の除去には硬性鏡の使用が標準的とされているが,ラリンジアルマスクと軟性気管支鏡を用いた報告が増加している.今回我々は1歳5ヵ月の男児に対してLMA挿入下軟性気管支鏡の吸引操作により異物除去を行ったので報告する.症例.1歳5ヵ月男児.ピーナッツを食べながら転倒し,両親が背部を叩いて吐かせたが喘鳴が続くため当院受診.胸部CTで左主気管支の上下葉分岐部に6mm長の狭窄が疑われたが,無気肺はなく全身状態は良好であった.3病日の胸部CTでも同様の所見で喘鳴も続いていたため,異物を疑い硬性鏡および開胸術の準備をし,6病日に全麻下気管支鏡処置を施行.ラリンジアルマスクLMA2.5挿入下に細...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 1; pp. 10 - 14
Main Authors 秦, 美暢, 福森, 和彦, 笹本, 修一, 松本, 悠, 田巻, 一義, 大塚, 創, 高木, 啓吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.1_10

Cover

More Information
Summary:背景.気管支内異物の除去には硬性鏡の使用が標準的とされているが,ラリンジアルマスクと軟性気管支鏡を用いた報告が増加している.今回我々は1歳5ヵ月の男児に対してLMA挿入下軟性気管支鏡の吸引操作により異物除去を行ったので報告する.症例.1歳5ヵ月男児.ピーナッツを食べながら転倒し,両親が背部を叩いて吐かせたが喘鳴が続くため当院受診.胸部CTで左主気管支の上下葉分岐部に6mm長の狭窄が疑われたが,無気肺はなく全身状態は良好であった.3病日の胸部CTでも同様の所見で喘鳴も続いていたため,異物を疑い硬性鏡および開胸術の準備をし,6病日に全麻下気管支鏡処置を施行.ラリンジアルマスクLMA2.5挿入下に細径気管支鏡LF type V(外径4.1mm)で観察し,左上下葉分岐部に嵌まり込んだピーナッツ片を確認.LF type Vの吸引を用いて気管分岐部付近まで移動可能であったが,吸引力が弱く保持が困難であった.LMA下に成人用の処置用気管支鏡IT260(外径5.9mm)が左主気管支まで挿入可能であったため,吸引操作で異物を摘出した.結論.小児気管支異物に対し,LMAと軟性気管支鏡による異物摘出が1歳5ヵ月の男児に対しても可能であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.1_10