特発性肺胞蛋白症8例の臨床的検討 : 肺区域洗浄の有用性

背景.肺胞蛋白症の治療は全肺洗浄が一般的であり,軟性気管支鏡による区域洗浄は手軽ではあるが効果が不十分とされ,欧米ではほとんど行われていない.対象と方法.1995年から2008年までの13年間で,当科および関連施設にて経験した特発性肺胞蛋白症8例を対象とした臨床的検討を行った.結果.1例は自然寛解し,残り7例は肺胞洗浄やGM-CSF吸入による治療を行った.5例は軟性気管支鏡による肺の区域洗浄のみ施行したが,いずれの症例も自覚症状,画像所見など様々な面で改善がみられた.結論.本症に対する治療指針として,全肺洗浄のみならず経過観察や肺区域洗浄といった選択肢もあり,重症度や病態に応じて対応することが...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 2; pp. 127 - 132
Main Authors 岸, 建志, 岡, 宏亮, 門田, 淳一, 石井, 寛, 雨宮, 由佳, 水之江, 俊治, 白井, 亮, 岩田, 敦子, 大谷, 哲史, 梅木, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.32.2_127

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Summary:背景.肺胞蛋白症の治療は全肺洗浄が一般的であり,軟性気管支鏡による区域洗浄は手軽ではあるが効果が不十分とされ,欧米ではほとんど行われていない.対象と方法.1995年から2008年までの13年間で,当科および関連施設にて経験した特発性肺胞蛋白症8例を対象とした臨床的検討を行った.結果.1例は自然寛解し,残り7例は肺胞洗浄やGM-CSF吸入による治療を行った.5例は軟性気管支鏡による肺の区域洗浄のみ施行したが,いずれの症例も自覚症状,画像所見など様々な面で改善がみられた.結論.本症に対する治療指針として,全肺洗浄のみならず経過観察や肺区域洗浄といった選択肢もあり,重症度や病態に応じて対応することが必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.2_127