挿管後気管狭窄5症例の内視鏡的治療経験
背景.挿管後気管狭窄は挿管時の気道損傷や高いカフ圧が原因で発症するとされ,挿管チューブの改良が進んだ現在でも起こりうる病態である.治療の第一選択は狭窄部外科的切除,気管端々吻合とされているが,患者の病状や希望により外科的治療の適応外となる症例が存在する.近年様々な内視鏡的治療が気道病変に施行され,良好な成績が報告されている.目的.当科において内視鏡治療を行った5例の挿管後気管狭窄症例の臨床経過,治療を検証し,内視鏡的治療の有用性を検討する.対象.2003年3月から2006年3月までに当科で経験した5例の挿管後気管狭窄症例.手術を拒否した1例を除き,いずれも基礎疾患として心不全や慢性呼吸不全を伴...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 28; no. 7; pp. 509 - 515 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2006
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.28.7_509 |
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| Summary: | 背景.挿管後気管狭窄は挿管時の気道損傷や高いカフ圧が原因で発症するとされ,挿管チューブの改良が進んだ現在でも起こりうる病態である.治療の第一選択は狭窄部外科的切除,気管端々吻合とされているが,患者の病状や希望により外科的治療の適応外となる症例が存在する.近年様々な内視鏡的治療が気道病変に施行され,良好な成績が報告されている.目的.当科において内視鏡治療を行った5例の挿管後気管狭窄症例の臨床経過,治療を検証し,内視鏡的治療の有用性を検討する.対象.2003年3月から2006年3月までに当科で経験した5例の挿管後気管狭窄症例.手術を拒否した1例を除き,いずれも基礎疾患として心不全や慢性呼吸不全を伴っており,手術不能と判断した.結果.2例にデュモンステントを留置,1例に気管カニューレを留置,1例はアルゴンプラズマ凝固法(APC)と凝固組織の生検鉗子による除去を反復し気道を確保した.残る1例はAPCと生検鉗子を用いた内腔確保が困難であり,再狭窄病変に対しデュモンステント留置を行った.結論.挿管後気管狭窄に対する内視鏡的治療は有効であり,初期治療としての有用性と全身状態の劣悪な症例に対する安全性が示唆された. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.28.7_509 |