情報通信機器を用いた産業保健職によるオンライン面談適応チェックリストの開発

目的:新型コロナウイルスの流行以降,産業保健職がオンライン面談を実施する機会が増加したが,我々の知る限り,オンライン面談の適応について参考とできる知見は極めて限られている.そこで,オンライン面談の適応判断の参考とするためのチェックリストを開発した.対象と方法:オンライン面談適応グループワークで促進要因,阻害要因,その他考慮事項を抽出し,その結果に基づきチェックリストの試作版を作成した.試作版についてパブリックコメントの収集,妥当性検証のためのアンケート調査を経て最終版を作成した.結果:グループワークには71名が参加し,8の大項目,32の小項目から成る試作版チェックリストを作成した.試作版に対し...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 117 - 129
Main Authors 武藤 剛, 櫻木 園子, 守田 祐作, 神田橋 宏治, 齊藤 宏之, 澤田 有喜子, 村山 亜矢子, 梶木 繁之, 佐々木 那津, 石澤 哲郎, 渡辺 千秋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 20.07.2025
日本産業衛生学会
Subjects
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ISSN1341-0725
1349-533X
DOI10.1539/sangyoeisei.2025-003-B

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Summary:目的:新型コロナウイルスの流行以降,産業保健職がオンライン面談を実施する機会が増加したが,我々の知る限り,オンライン面談の適応について参考とできる知見は極めて限られている.そこで,オンライン面談の適応判断の参考とするためのチェックリストを開発した.対象と方法:オンライン面談適応グループワークで促進要因,阻害要因,その他考慮事項を抽出し,その結果に基づきチェックリストの試作版を作成した.試作版についてパブリックコメントの収集,妥当性検証のためのアンケート調査を経て最終版を作成した.結果:グループワークには71名が参加し,8の大項目,32の小項目から成る試作版チェックリストを作成した.試作版に対し15件のパブリックコメントが得られ,アンケート調査には64件の回答があった.チェックリストの項目は,多くの回答者が「オンライン面談を避ける」,または,「オンライン面談を実施した場合に支障が出る」割合が50%を超えていた.パブリックコメント,アンケート調査での追加意見を踏まえて最終版を完成した.考察と結論:最終版のオンライン面談適応チェックリストは,オンライン面談の経験のある産業保健職の感覚と近いチェックリストになったものと考える.適切なオンライン面談の適応判断の助けとなることが期待される.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.2025-003-B