気管支動脈造影(BAG)を施行した喀血症例に関する臨床病理学的検討(第25回日本気管支学会総会)

1996年から2001年までに経験した喀血での入院症例で, 気管支内視鏡検査(BFS), BAGの双方を施行した39症例について報告する. 内訳は, 男性26名, 女性13名で24歳から79歳(平均59.6歳). 基礎疾患は気管支拡張症20例, 陳旧性肺結核4例, 慢性気管支炎4例, 非定型抗酸菌症3例, じん肺1例, 高安病1例, 動静脈奇形1例, 気管支動脈奇形1例, 原因不明5例だった. BFS下にトロンビン散布を行った症例は18例で, うち10例は止血困難であった. BAGにおいて, 責任血管の同定可能例のほとんどでコイルやジェルフォームによる動脈塞栓術(BAE)が施行された. BAE...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 249
Main Authors 武田, 昭, 福島, 康次, 降旗, 友恵, 斎木, 名執, 福田, 健, 三好, 祐顕, 石井, 芳樹, 知花, なおみ, 相良, 博典, 福島, 史哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.24.3_249_1

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Summary:1996年から2001年までに経験した喀血での入院症例で, 気管支内視鏡検査(BFS), BAGの双方を施行した39症例について報告する. 内訳は, 男性26名, 女性13名で24歳から79歳(平均59.6歳). 基礎疾患は気管支拡張症20例, 陳旧性肺結核4例, 慢性気管支炎4例, 非定型抗酸菌症3例, じん肺1例, 高安病1例, 動静脈奇形1例, 気管支動脈奇形1例, 原因不明5例だった. BFS下にトロンビン散布を行った症例は18例で, うち10例は止血困難であった. BAGにおいて, 責任血管の同定可能例のほとんどでコイルやジェルフォームによる動脈塞栓術(BAE)が施行された. BAEの再施行が必要だった症例は4例で, 3名は2回, 1名は4回施行した. 症例中BFS所見で推定される出血源と, 造影所見で部位的な差があったり, 出血源以外にも今後出血の可能性が否定できないような拡張, 増生所見を15例に認め, うち2例が塞栓術の再施行が必要だった. BFSで明らかな出血源が特定困難であった症例は23例あった. BAGで所見を得られた症例は35例(89.7%)だった. BAEはBFS下に止血困難な場合, 緊急に施行されることが有用とされている. 一方, BAGは喀血症例の出血源の同定とBFS下に同定困難な出血源の特定に有要であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_249_1