薄壁空洞性直腸癌肺転移の1例
背景.薄壁空洞性直腸癌肺転移の1例を経験した.症例.57歳の男性.2004年12月に直腸癌に対して低位前方切除術が施行された.2005年12月の経過観察目的のCTで左下葉に境界が明瞭な結節影が指摘され,2006年1月胸腔鏡下左下葉部分切除術を施行し,直腸癌の肺転移と診断された.CTでは右下葉にも微小な薄壁空洞性病変が認められていたため経過観察されたが,1年5カ月の間で徐々に増大した.さらに新たに右上葉に同様の薄壁空洞性病変が出現したため,術前にCTガイド下マーキングを施行した後,2007年5月に胸腔鏡下右上葉部分切除,下葉部分切除術を施行した.ともに直腸癌の肺転移と診断された.結語.術前胸部C...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 2; pp. 70 - 73 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2008
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.30.2_70 |
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| Summary: | 背景.薄壁空洞性直腸癌肺転移の1例を経験した.症例.57歳の男性.2004年12月に直腸癌に対して低位前方切除術が施行された.2005年12月の経過観察目的のCTで左下葉に境界が明瞭な結節影が指摘され,2006年1月胸腔鏡下左下葉部分切除術を施行し,直腸癌の肺転移と診断された.CTでは右下葉にも微小な薄壁空洞性病変が認められていたため経過観察されたが,1年5カ月の間で徐々に増大した.さらに新たに右上葉に同様の薄壁空洞性病変が出現したため,術前にCTガイド下マーキングを施行した後,2007年5月に胸腔鏡下右上葉部分切除,下葉部分切除術を施行した.ともに直腸癌の肺転移と診断された.結語.術前胸部CTで微小な薄壁空洞性病変を呈し,診断に苦慮した直腸癌肺転移の1例を経験した.微小な空洞性病変であっても慎重な経過観察と,さらに増大傾向を示す場合は診断と治療を兼ねた胸腔鏡下手術が必要であると考えられた. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.30.2_70 |