局所麻酔下胸腔鏡の担当医と適応について

細径胸腔ビデオスコープによる局所麻酔下の胸腔鏡検査は急速に普及しつつあるが, その適応や検査担当医師は施設間により様々である. 当院では胸腔鏡導入初期は採取胸水の検討により確定診断に至らなかった症例を対象とし, 呼吸器外科医と呼吸器内科が合同で検査を担当した. 現在は片側性で胸腔ドレナージを必要とする症例を局所麻酔下胸腔鏡の適応とし呼吸器内科医が検査を担当している. 目的:当院で局所麻酔下に施行した胸腔鏡症例を検討し, 胸腔鏡施行の適応について明らかにする. 対象と方法:当院内視鏡室で細径胸腔ビデオスコープ(LTF240)による局所麻酔下胸腔鏡を施行した症例を前記2群に分けて, 胸膜炎の原疾患...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 3; p. 158
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Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.3_158_1

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Summary:細径胸腔ビデオスコープによる局所麻酔下の胸腔鏡検査は急速に普及しつつあるが, その適応や検査担当医師は施設間により様々である. 当院では胸腔鏡導入初期は採取胸水の検討により確定診断に至らなかった症例を対象とし, 呼吸器外科医と呼吸器内科が合同で検査を担当した. 現在は片側性で胸腔ドレナージを必要とする症例を局所麻酔下胸腔鏡の適応とし呼吸器内科医が検査を担当している. 目的:当院で局所麻酔下に施行した胸腔鏡症例を検討し, 胸腔鏡施行の適応について明らかにする. 対象と方法:当院内視鏡室で細径胸腔ビデオスコープ(LTF240)による局所麻酔下胸腔鏡を施行した症例を前記2群に分けて, 胸膜炎の原疾患, 胸腔鏡施行までに要した期間, 確定診断率を検討した. 結果:初期(平成12年3月から14年4月)28例, 後期(平成14年5月から12月)22例が該当した. 胸膜炎原疾患は初期12例(42%)後期9例(41%)が悪性腫瘍による胸膜炎であった. 胸膜炎初診時より胸腔ドレナージまでの期間は平均15.4日と8.5日, 入院日より胸腔ドレナージまでの期間は平均10.5と5.6日であった. 確定診断の割合は初期28例中24例(86%), 後期では22例中17例(77%)であった. 後期で胸水細胞診のみで診断可能であった症例は6例(27%)であった. 考案:呼吸器内科医が採取胸水分析の結果を待たずに局所麻酔下胸腔鏡を施行することにより, 胸膜炎のより早期の診断が可能となる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.3_158_1