気管支鏡が診断に有用であったペニシリウムによるアレルギー性気管支肺真菌症の1例

症例は31歳, 女性。16歳時より気管支喘息と診断されている。21歳時には肺炎で入院加療を受けている。1998年10月, 湿性咳嗽, 胸痛にて近医を受診した。胸部異常陰影を指摘され, 各種抗生物質を投与されるも改善せず, 精査加療目的にて当科紹介入院となった。胸部CTでは左舌区を中心に気管支拡張所見, 浸潤影, 粘液栓子が認められ, アレルギー性気管支肺真菌症が疑われたが, IgEは低値であった。気管支鏡では好酸球性気管支炎の所見とともに左舌区より褐色の分泌物及び粘液栓子を認め, 気管支洗浄液からペニシリウムが検出された。ステロイドにて改善し, ペニシリウムが関与したアレルギー性気管支肺真菌症...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 22; no. 5; pp. 372 - 377
Main Authors 若林, 聖伸, 出村, 芳樹, 中西, 正教, 宮森, 勇, 塩崎, 晃平, 水野, 史朗, 石崎, 武志, 岡村, 誠太郎, 飴島, 慎吾, 戸谷, 嘉孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2000
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.22.5_372

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Summary:症例は31歳, 女性。16歳時より気管支喘息と診断されている。21歳時には肺炎で入院加療を受けている。1998年10月, 湿性咳嗽, 胸痛にて近医を受診した。胸部異常陰影を指摘され, 各種抗生物質を投与されるも改善せず, 精査加療目的にて当科紹介入院となった。胸部CTでは左舌区を中心に気管支拡張所見, 浸潤影, 粘液栓子が認められ, アレルギー性気管支肺真菌症が疑われたが, IgEは低値であった。気管支鏡では好酸球性気管支炎の所見とともに左舌区より褐色の分泌物及び粘液栓子を認め, 気管支洗浄液からペニシリウムが検出された。ステロイドにて改善し, ペニシリウムが関与したアレルギー性気管支肺真菌症と考えられ, その診断に気管支鏡検査が有用であった。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.22.5_372