血痰・喀血症例に対する気管支鏡検査の適応
1992 1993年に当科を受診した135例を対象に, 血痰・喀血における気管支鏡検査の適応について臨床的検討を行った。胸部レントゲン検査で血痰・喀血に関連する異常影を認めた症例は48例(35.6%)で, 関連する異常影のない症例は87例(64.4%)であった。関連する異常影のあった48例のうち16例(33.3%)に, 関連する異常影のなかった87例のうち2例(2.3%)に肺癌を認めた。肺癌症例18例は全て年齢40歳以上の男性で, Brinkman Index 400以上の重喫煙者であり, うち4例は喀痰細胞診陰性であった。胸部レントゲン検査で関連する異常影がなく, 気管支鏡検査が肺癌の診断に...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 18; no. 2; pp. 105 - 110 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1996
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.18.2_105 |
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Summary: | 1992 1993年に当科を受診した135例を対象に, 血痰・喀血における気管支鏡検査の適応について臨床的検討を行った。胸部レントゲン検査で血痰・喀血に関連する異常影を認めた症例は48例(35.6%)で, 関連する異常影のない症例は87例(64.4%)であった。関連する異常影のあった48例のうち16例(33.3%)に, 関連する異常影のなかった87例のうち2例(2.3%)に肺癌を認めた。肺癌症例18例は全て年齢40歳以上の男性で, Brinkman Index 400以上の重喫煙者であり, うち4例は喀痰細胞診陰性であった。胸部レントゲン検査で関連する異常影がなく, 気管支鏡検査が肺癌の診断に有用であった症例は2例であった。血痰・喀血において, 胸部レントゲン検査と喀痰細胞診のみで全ての肺癌をスクリーニングすることは困難であると思われた。血痰・喀血における気管支鏡検査は, 胸部レントゲン検査で関連する異常影がある場合以外に, 胸部レントゲン検査で関連する異常影がない場合でも, 肺癌が存在することが否定できないため, 肺癌のhigh risk group(年齢40歳以上, Brinkman Index 400以上)を中心に適応を考慮すべきと思われた。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.18.2_105 |