気管支鏡検査中のSpO2の低下の頻度とhigh risk群の検討

【目的】気管支鏡検査検査中のSpO2<90%の発生頻度および年齢, 呼吸機能, 肺基礎疾患の有無との関連性を検討し, 気管支鏡検査のhigh risk群について検討した. 【対象, 方法】平成13年6月から平成14年9月に当科において, 室内吸入気で気管支鏡検査を施行した335例(男231例, 女104例, 平均年齢62. 1歳)を対象とした. SpO2はPULSOX-5(MINOLTA, Japan)を用いて計測した. 【結果】93例(27. 8%)において最低5秒間以上のSpO2<90%を認めた. 年齢別では81歳以上(55%)では80歳以下(27%)と比較し有意にSpO2&l...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 3; p. 202
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Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.3_202_4

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Summary:【目的】気管支鏡検査検査中のSpO2<90%の発生頻度および年齢, 呼吸機能, 肺基礎疾患の有無との関連性を検討し, 気管支鏡検査のhigh risk群について検討した. 【対象, 方法】平成13年6月から平成14年9月に当科において, 室内吸入気で気管支鏡検査を施行した335例(男231例, 女104例, 平均年齢62. 1歳)を対象とした. SpO2はPULSOX-5(MINOLTA, Japan)を用いて計測した. 【結果】93例(27. 8%)において最低5秒間以上のSpO2<90%を認めた. 年齢別では81歳以上(55%)では80歳以下(27%)と比較し有意にSpO2<90%を認めた(p<0. 05). 呼吸機能との関連では, SpO2<90%の発生頻度は一秒量が1000ml以下の症例(56%)では1000ml以上の症例(30%)より高かったが有意差はなかった. 肺の基礎疾患別では, 間質性肺炎(52%)では基礎疾患なし(28%)と比較し, 有意にSpO2<90%の発生頻度が高かった(p<0. 05). 経気管支鏡生検または擦過細胞診施行中のSpO2<90%の発生頻度は37%, 気管支肺胞洗浄施行中のSpO2<90%の発生頻度は52. 5%であった. 最低30秒間以上のSpO2<90%またはSpO2<80%を認め, 酸素投与を必要とした症例は6%であった. 【結論】気管支鏡検査は酸素投与なしでも安全に行える検査であるが, 高齢者, 一秒量1000ml以下, 間質性肺炎合併症例では注意が必要と考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.3_202_4