当院で施行した気管・気管支内腫瘍に対する気管支鏡下高周波スネア治療の検討(第25回日本気管支学会総会)

【目的】気管, 気管支内腫瘍に対する気管支鏡下高周波スネアを用いた治療の有用性と安全性を検討した. 【対象と方法】2001年9月および11月に悪性腫瘍1例, 良性腫瘍2例に対し, 気管支鏡下に高周波スネアを用い気管, 気管支内腫瘍摘出術をおこなった. 【結果】部位および組織型は左B10入口部の腺癌1例, 気管中部の脂肪腫1例, 右中葉枝の線維腫1例で気管中部の脂肪腫は術前に組織診断がついていなかった. いずれも挿管, 全身麻酔管理下において気管支ファイバースコープを挿入し, 高周波スネアにて腫瘍を茎部から切除した. スネアの出力を20~25wととし, 通電時間は必要最小限にとどめるため0.5~...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 246
Main Authors 若松, 俊秀, 津島, 健司, 安尾, 将法, 漆畑, 一寿, 花岡, 正幸, 笹林, 万里, 山口, 伸二, 吉池, 文明, 羽生田, 正行, 久保, 恵嗣, 堀田, 順一, 金子, 和彦, 山崎, 善隆, 小泉, 知展, 藤本, 圭作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.24.3_246_1

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Summary:【目的】気管, 気管支内腫瘍に対する気管支鏡下高周波スネアを用いた治療の有用性と安全性を検討した. 【対象と方法】2001年9月および11月に悪性腫瘍1例, 良性腫瘍2例に対し, 気管支鏡下に高周波スネアを用い気管, 気管支内腫瘍摘出術をおこなった. 【結果】部位および組織型は左B10入口部の腺癌1例, 気管中部の脂肪腫1例, 右中葉枝の線維腫1例で気管中部の脂肪腫は術前に組織診断がついていなかった. いずれも挿管, 全身麻酔管理下において気管支ファイバースコープを挿入し, 高周波スネアにて腫瘍を茎部から切除した. スネアの出力を20~25wととし, 通電時間は必要最小限にとどめるため0.5~1秒とした. 悪性腫瘍を含めて全例で出血を認めず, 術後の合併症も無く, 摘出2日後には退院した. 腺癌患者は検体の断端陽性であったため, 1カ月後に左S10区域切除術を施行し, 予後良好である. 良性腫瘍のうち気管脂肪腫の患者の1カ月後の確認気管支鏡で切除部位に一致して水泡形成を認めた. 右中葉枝線維腫の患者の確認気管支鏡で切除部位は瘢痕形成も無く, 良好であった. 【結語】気管, 気管支腫瘍に対する治療方法として, 開胸手術に比較し気管支鏡下高周波スネアは有用でかつ安全な治療法と考えられる. 局所麻酔挿管下に施行している施設もあり, 今後さらに安全かつ簡便に施行するの確立と普及が必要と思われた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_246_1