高度の骨化を伴った気管支非定型的カルチノイドの1手術例

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 5; pp. 353 - 357
• Main Authors: 須田, 一晴, 池谷, 朋彦, 河端, 美則, 青山, 克彦, 村井, 克己, 星, 永進, 金沢, 実
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003; 日本呼吸器内視鏡学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: Atypical; Bronchial carcinoid; 気管支カルチノイド; 非定型的
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.25.5_353

背景.気管支カルチノイドは比較的まれな低悪性度の腫瘍と考えられているが,リンパ節転移や遠隔転移を起こす症例もみられる.今回我々は,高度の骨化を伴った気管支非定型的カルチノイドの1手術症例を経験したので報告する.症例.症例は40歳,男性,血疾と発熱を主訴に紹介された.胸部X線およびCTで右上葉無気肺と右上葉気管支を閉塞する高度の石灰化を伴う腫瘤を認めた.気管支鏡検査で粘膜病変は気管下部から中間気管支幹下部までに及び,経気管支生検でカルチノイドと診断し,CTその他の画像診断の結果と合わせ,cT3NOMO,cStage IIBと診断した.手術は気管下部から中門気管支幹全長を含む管状右上葉切除術,ND2aリンパ節郭清術を行った.術後病理検査で非定型的カルチノイドpT3NOMO,pStageIIBと診断した.術後気管支吻合部に放射線照射を50Gy施行した.結論.本症例は高度の骨化を伴った右肺上葉気管支原発の非定型的カルチノイド症例であり,これに対し管状右上葉切除術,ND2aリンパ節郭清術を施行した.術後2年現在再発なく,経過観察中である.