比較的若年の潜水漁漁師にみられた減圧性骨壊死

「はじめに」潜水漁漁師は職業性ダイバーの多くを占めるが, その大半は漁業組合に入らず規制を無視して潜水漁業を行っている実態がある. 潜水漁業には, ダイビングインストラクターダイバーのようなダイビングスケジュールに関する制限がないため, 1人親方としての営みが多い潜水漁漁師は少しでも売り上げを増やそうとして無理な潜水を行い, 減圧障害に罹患して初めて医療機関を訪れる. 治療後は安全潜水の指導に応じないため, 潜水漁漁師に対して, 適正潜水や定期健診の義務などの法的規制の必要性が指摘されている. 沖縄では年々レジャーダイバーが増加し, 沿岸の漁業資源が枯渇するとともに職業性ダイバーは減少している...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 59; no. 2; pp. 59 - 62
Main Authors 合志, 清隆, 村田, 幸雄, 森, 美穂子, 森松, 嘉孝, 増田, 宏, 松本, 悠貴, 石竹, 達也, 星子, 美智子, 合志, 勝子, 井上, 都, 久篠, 奈苗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 20.03.2017
日本産業衛生学会
Subjects
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ISSN1341-0725
1349-533X
DOI10.1539/sangyoeisei.16-019-D

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Summary:「はじめに」潜水漁漁師は職業性ダイバーの多くを占めるが, その大半は漁業組合に入らず規制を無視して潜水漁業を行っている実態がある. 潜水漁業には, ダイビングインストラクターダイバーのようなダイビングスケジュールに関する制限がないため, 1人親方としての営みが多い潜水漁漁師は少しでも売り上げを増やそうとして無理な潜水を行い, 減圧障害に罹患して初めて医療機関を訪れる. 治療後は安全潜水の指導に応じないため, 潜水漁漁師に対して, 適正潜水や定期健診の義務などの法的規制の必要性が指摘されている. 沖縄では年々レジャーダイバーが増加し, 沿岸の漁業資源が枯渇するとともに職業性ダイバーは減少しているにもかかわらず, 今回我々は, 骨壊死を呈した潜水漁漁師事例を経験した. 本事例は比較的若年で, 新たな骨壊死発症因子が考えられたため, 本事例を詳細に報告するとともに, 沖縄における潜水漁漁師を取り巻く現状と課題を述べる.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.16-019-D