ミダゾラムによる鎮静下に行った気管支鏡検査の患者満足度の検討 : アンケート調査から
背景. 気管支鏡検査に際して,患者の苦痛を軽減し安全に施行することが時代のニーズである. 目的. ミダゾラムを用いた気管支鏡検査の患者満足度および問題点を明らかにする. 方法. 28症例(観察15例,肺門精査2例,肺野精査11例)を対象とした. 手順 : (1)2%リドカインビスカス4ml. (2)2%リドカイン3ml吸入後,舌牽引下に1%リドカイン10mlをスプレー散布. (3)ペンタゾシン15mgの筋注. (4)ミダゾラムを2.5mg(1/4A)ずつ静注し,意識が消失後気管支鏡を気道内へ挿入. (5)1%リドカインを2mlずつ散布. (6)終了後,フルマゼニル0.5mgを静注し覚醒.アンケ...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 2; pp. 133 - 137 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.2_133 |
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Summary: | 背景. 気管支鏡検査に際して,患者の苦痛を軽減し安全に施行することが時代のニーズである. 目的. ミダゾラムを用いた気管支鏡検査の患者満足度および問題点を明らかにする. 方法. 28症例(観察15例,肺門精査2例,肺野精査11例)を対象とした. 手順 : (1)2%リドカインビスカス4ml. (2)2%リドカイン3ml吸入後,舌牽引下に1%リドカイン10mlをスプレー散布. (3)ペンタゾシン15mgの筋注. (4)ミダゾラムを2.5mg(1/4A)ずつ静注し,意識が消失後気管支鏡を気道内へ挿入. (5)1%リドカインを2mlずつ散布. (6)終了後,フルマゼニル0.5mgを静注し覚醒.アンケート調査で,患者満足度を,とても楽・楽・普通・苦しい・とても苦しい,の5段階に分類した. 結果. ミダゾラム使用量は,年齢との間に相関係数-0.589で有意の負の相関を認めた. 「楽」・「とても楽」と感じた患者は,前処置で6例(21%),検査中で25例(89%),検査後で21例(75%),全体で21例(75%)であり,前処置で低く,リドカインビスカス・スプレー散布・舌の牽引が辛いと判明した.検査中の記憶は,24例(86%)で全くなく,4例(14%)で少し認めた. 呼吸抑制および合併症を認めなかった. 気管支鏡の再検は,23例(82%)が「受けてもいい」,5例(18%)が「受けたくない」と回答した. 結論. ミダゾラムによる鎮静下に行った気管支鏡検査は,患者の苦痛を軽減し,患者満足度が高く推奨される. 患者の満足度をさらに向上させるために前処置を改善すべきである. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.2_133 |