薬学教育における災害時医療教育の必要性とその教育内容の検討

「緒言」 1995年1月17日阪神大震災をきっかけに, 日本の災害時医療体制の再構築が始まり, さらに2011年3月11日, 東日本大震災により, 厚生労働省を始め, 各自治体, 各医療団体において日本の災害時の医療体制に関する様々な見直しが行われてきた. 地震大国である日本にとって, 災害時医療を充実させることは必要不可欠なものである. 東日本大震災においても, 災害現場における薬剤師の様々な医療支援活動が注目され, 今後も薬剤師の災害医療現場での更なる活躍が期待されている. 特に, 四国地方では, 将来, 南海トラフ巨大地震に直面する危険性があり, 今後, このような自然災害に対応できる薬...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 135; no. 12; pp. 1377 - 1386
Main Authors 荒木, 博陽, 山口, 巧, 難波, 弘行, 田中, 亮裕, 田中, 守, 宮内, 芳郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2015
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.15-00171

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Summary:「緒言」 1995年1月17日阪神大震災をきっかけに, 日本の災害時医療体制の再構築が始まり, さらに2011年3月11日, 東日本大震災により, 厚生労働省を始め, 各自治体, 各医療団体において日本の災害時の医療体制に関する様々な見直しが行われてきた. 地震大国である日本にとって, 災害時医療を充実させることは必要不可欠なものである. 東日本大震災においても, 災害現場における薬剤師の様々な医療支援活動が注目され, 今後も薬剤師の災害医療現場での更なる活躍が期待されている. 特に, 四国地方では, 将来, 南海トラフ巨大地震に直面する危険性があり, 今後, このような自然災害に対応できる薬剤師の育成は医療現場だけでなく, 大学での薬学教育においても取り組まなければならない大きな課題の1つであると言える. 2015年4月より開始された新たな「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(以後, 改訂モデル・コアカリキュラム)を基盤とした薬学教育では, 将来の医療を担う薬剤師に求められる基本的な資質を身につけることを目指したgeneral instructional objectives(GIOs)やspecific behavioral objectives(SBOs)が盛り込まれている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.15-00171