屈曲鉗子を用いた経気管支生検が診断に有用であった肺野型過誤腫の2例

背景.肺野型過誤腫は一般的に経気管支生検による組織診断が困難である.我々は屈曲型の生検鉗子を考案し,それが診断に有用であった肺野型過誤腫の2例を経験したので報告する.症例.症例1は46歳女性,胸部異常影で紹介され,胸部CTで右S2に結節影を認めた.気管支鏡下に通常鉗子で右B2aから生検を試みたが,到達困難で十分な検体が採取できず,屈曲鉗子に変更した.病理像では通常鉗子での検体は正常気管支壁のみであったが,屈曲鉗子では過誤腫を強く疑う所見を得た.のちに胸腔鏡下肺生検で軟骨型過誤腫と診断された.症例2は75歳男性,胸部異常影で紹介され,胸部CTでは右S2に結節影を認めた.気管支鏡下に通常鉗子で右B...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 6; pp. 456 - 461
Main Authors 中川, 勝裕, 笹田, 真滋, 山鳥, 忠宏, 新田, 隆, 古川, 貢, 高田, 賀章, 川瀬, 一郎, 菊井, 正紀, 小林, 政司, 滝本, 宜之, 平島, 智徳, 緒方, 嘉隆, 松井, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.6_456

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Summary:背景.肺野型過誤腫は一般的に経気管支生検による組織診断が困難である.我々は屈曲型の生検鉗子を考案し,それが診断に有用であった肺野型過誤腫の2例を経験したので報告する.症例.症例1は46歳女性,胸部異常影で紹介され,胸部CTで右S2に結節影を認めた.気管支鏡下に通常鉗子で右B2aから生検を試みたが,到達困難で十分な検体が採取できず,屈曲鉗子に変更した.病理像では通常鉗子での検体は正常気管支壁のみであったが,屈曲鉗子では過誤腫を強く疑う所見を得た.のちに胸腔鏡下肺生検で軟骨型過誤腫と診断された.症例2は75歳男性,胸部異常影で紹介され,胸部CTでは右S2に結節影を認めた.気管支鏡下に通常鉗子で右B2aから生検を試みたが,腫瘤が硬く,検体採取が困難であったため,屈曲鉗子に変更した.病理像では通常鉗子での検体は正常気管支壁のみであったが,屈曲鉗子での検体で軟骨型過誤腫と診断した.結論.屈曲型の生検鉗子を用いた経気管支生検は肺野型過誤腫の診断に有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.6_456