副作用発現率からみた味覚異常をおこしやすい医薬品

「緒言」味覚障害は, 生活の質(Quality of Life)を著しく損なう. その原因は多岐にわたり, 薬物性味覚障害, 特発性味覚障害, 亜鉛欠乏性味覚障害, 心因性味覚障害, 風味障害(嗅覚障害), 全身性味覚障害, 口腔粘膜疾患, 末梢神経障害, 中枢神経障害, 放射線治療, COVID-19による味覚障害などが考えられ, そのうち味覚障害を引き起こす可能性の高い薬剤として, 催眠鎮静薬, 精神神経用薬, 循環器官用薬が挙げられている. 薬物性味覚障害の発現頻度は1.9~24.4%と各施設でばらつきがある. 高齢化に伴う常用薬の増加とそれに伴う薬剤性味覚障害の増加が懸念される一方で,...

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Bibliographic Details
Published in歯科薬物療法 Vol. 43; no. 2; pp. 24.07 - 140
Main Author 斎藤, 義夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科薬物療法学会 2024
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ISSN0288-1012
1884-4928
DOI10.11263/jsotp.24.07

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Summary:「緒言」味覚障害は, 生活の質(Quality of Life)を著しく損なう. その原因は多岐にわたり, 薬物性味覚障害, 特発性味覚障害, 亜鉛欠乏性味覚障害, 心因性味覚障害, 風味障害(嗅覚障害), 全身性味覚障害, 口腔粘膜疾患, 末梢神経障害, 中枢神経障害, 放射線治療, COVID-19による味覚障害などが考えられ, そのうち味覚障害を引き起こす可能性の高い薬剤として, 催眠鎮静薬, 精神神経用薬, 循環器官用薬が挙げられている. 薬物性味覚障害の発現頻度は1.9~24.4%と各施設でばらつきがある. 高齢化に伴う常用薬の増加とそれに伴う薬剤性味覚障害の増加が懸念される一方で, 味覚異常の発症と原因薬剤と使用期間の時間的関係, 被疑薬の中止による症状の改善などで厳密に診断した場合, 薬剤性の副作用はそれほど高いものではないという報告もあり, 診断基準の不明確さや評価の困難さを感じることが少なくない.
ISSN:0288-1012
1884-4928
DOI:10.11263/jsotp.24.07