小児ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法―副反応の検討

小児アレルギー性鼻炎は低年齢化しており, 長期間の治療を要する疾患である. 今回, 10歳以下の小児に施行したダニ舌下免疫療法 (SLIT) 開始後の3カ月間の副反応について検討した. 2018年6月1日~2018年10月31日までに当院当科で10歳以下の小児に施行した SLIT 患者を対象とした3300JAU 終了時, 10000JAU 1週間後, 10000JAU 5週間後, 10000JAU 12週後の4点について VAS を用いた副反応を問診票で評価した. 10000JAU 1週間後の副反応が30例 (45.5%) と最も高かった. 10000JAU 12週間後には7例 (10.6%)...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 11; pp. 1417 - 1422
Main Authors 原, 浩貴, 濵本, 真一, 兵, 行義, 田中, 真理子, 雑賀, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.2019
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.122.1417

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Summary:小児アレルギー性鼻炎は低年齢化しており, 長期間の治療を要する疾患である. 今回, 10歳以下の小児に施行したダニ舌下免疫療法 (SLIT) 開始後の3カ月間の副反応について検討した. 2018年6月1日~2018年10月31日までに当院当科で10歳以下の小児に施行した SLIT 患者を対象とした3300JAU 終了時, 10000JAU 1週間後, 10000JAU 5週間後, 10000JAU 12週後の4点について VAS を用いた副反応を問診票で評価した. 10000JAU 1週間後の副反応が30例 (45.5%) と最も高かった. 10000JAU 12週間後には7例 (10.6%) にまで減少した. また, アレルギー性鼻炎のみを有する群43例とほかのアレルギー疾患 (アトピー性皮膚炎および気管支喘息) を合併する群23例に分けて検討した. 各検討時期において他疾患を有する群のほうが有意に副反応の出現率が高く, 特に「皮膚のかゆみ」においては 10000JAU 12週間後でも3例 (13.0%) であった. 通年性アレルギー性鼻炎は小児と成人では異なり, 重複感作や, ほかのアレルギー疾患を有する割合が高い. 今回の検討においてダニ SLIT は小児においても安全な治療法であった. ただし合併症を有する場合には咳や皮膚症状が増悪する可能性があり, 小児科・皮膚科との連携の必要性が示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.1417