同側大腿骨頚部・転子部周辺骨折を合併した超高齢者3症例

同側大腿骨頚部骨折と転子部骨折を合併した超高齢者3症例を経験したので報告する.3例とも女性.平均年齢91歳.いずれも転倒などの低エネルギー外傷によるものであった.骨折型は,頚部骨折+転子部骨折2例,頚部骨折+転子部・転子下骨折1例であった.1症例に対して人工骨頭置換術,2症例に対しては人工骨頭置換術とケーブルプレートを併用して使用した.平均経過観察期間は103日であり,3例とも受傷前の歩行能力に近いレベルまで回復した.高齢者の同側大腿骨頸部・転子部周辺合併骨折は,我々が渉猟しえた範囲で20例であり,90歳以上の高齢者は4例であった.80歳以上の症例では全例とも人工骨頭置換術を施行されていた.今...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 1; pp. 58 - 62
Main Authors 瀬形, 建喜, 米村, 憲輔, 山下, 武士, 堀川, 朝広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.58.58

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Summary:同側大腿骨頚部骨折と転子部骨折を合併した超高齢者3症例を経験したので報告する.3例とも女性.平均年齢91歳.いずれも転倒などの低エネルギー外傷によるものであった.骨折型は,頚部骨折+転子部骨折2例,頚部骨折+転子部・転子下骨折1例であった.1症例に対して人工骨頭置換術,2症例に対しては人工骨頭置換術とケーブルプレートを併用して使用した.平均経過観察期間は103日であり,3例とも受傷前の歩行能力に近いレベルまで回復した.高齢者の同側大腿骨頸部・転子部周辺合併骨折は,我々が渉猟しえた範囲で20例であり,90歳以上の高齢者は4例であった.80歳以上の症例では全例とも人工骨頭置換術を施行されていた.今回の3症例も,人工骨頭置換術および必要に応じてケーブルプレートを併用したが,短期成績は良好であり,有用な方法と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.58