薬局薬剤師の疑義照会による医療費削減効果及び医薬分業率との関連性 —全国薬局疑義照会調査

「緒言」医薬分業の目的は, 医師と薬剤師が独立した専門職の立場で, 患者の薬物療法の内容を相互に確認することにより, 医療における安全性の確保と質の向上につなげることである. しかし, 近年, 医薬分業の意義や薬局薬剤師の職能に対する議論が起こっている. 一部の薬局において薬剤服用歴の未記入問題が発覚し, 社会問題となっている. また, 平成27年3月12日の内閣府による公開ディスカッションでは, 「医薬分業における規制の見直し」を議題として, 医薬分業のメリット等に関する議論が行われており, 特にコストの面では, 医薬分業は期待していたほど医療費の抑制につながっていないのではないかという意見...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 9; pp. 1263 - 1273
Main Authors 小茂田, 昌代, 根岸, 健一, 宮崎, 智, 佐藤, 嗣道, 鹿村, 恵明, 真野, 泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2016
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.16-00024

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Summary:「緒言」医薬分業の目的は, 医師と薬剤師が独立した専門職の立場で, 患者の薬物療法の内容を相互に確認することにより, 医療における安全性の確保と質の向上につなげることである. しかし, 近年, 医薬分業の意義や薬局薬剤師の職能に対する議論が起こっている. 一部の薬局において薬剤服用歴の未記入問題が発覚し, 社会問題となっている. また, 平成27年3月12日の内閣府による公開ディスカッションでは, 「医薬分業における規制の見直し」を議題として, 医薬分業のメリット等に関する議論が行われており, 特にコストの面では, 医薬分業は期待していたほど医療費の抑制につながっていないのではないかという意見もあがっている. 薬剤師による処方内容のチェック機能については, 薬剤師法第24条により, 「薬剤師は, 処方せん中に疑わしい点があるときは, その処方せんを交付した医師, 歯科医師又は獣医師に問い合わせて, その疑わしい点を確かめた後でなければ, これによって調剤してはならない」と規定されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00024