服用性の向上を目的とした経口製剤の検討 ~アルギン酸ナトリウムを用いたゲル化錠剤の調製と評価
「緒言」現在, 臨床現場で用いられる経口剤の中で, 取扱い易さや携帯性などの利便性から最も好まれて使用されているのは錠剤である. しかし, 錠剤はその大きさや形状から, 小児や嚥下機能の低下した患者では服薬困難によりコンプライアンスの低下が懸念される. その場合, 散剤や液剤が選択されることが多いが, 服用性や服用時の煩わしさなどから好まれない傾向にあり, 服薬補助を行う家族や医療従事者にとっても大きな負担となる恐れがある. これらの問題を改善するため, ゼリー製剤, 口腔内崩壊錠, さらにフィルム製剤などの剤形が開発されているが, 現在使用されている薬物には臨床用量が少量の薬物ばかりでなく高...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 8; pp. 969 - 977 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
2017
日本薬学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.16-00261 |
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Summary: | 「緒言」現在, 臨床現場で用いられる経口剤の中で, 取扱い易さや携帯性などの利便性から最も好まれて使用されているのは錠剤である. しかし, 錠剤はその大きさや形状から, 小児や嚥下機能の低下した患者では服薬困難によりコンプライアンスの低下が懸念される. その場合, 散剤や液剤が選択されることが多いが, 服用性や服用時の煩わしさなどから好まれない傾向にあり, 服薬補助を行う家族や医療従事者にとっても大きな負担となる恐れがある. これらの問題を改善するため, ゼリー製剤, 口腔内崩壊錠, さらにフィルム製剤などの剤形が開発されているが, 現在使用されている薬物には臨床用量が少量の薬物ばかりでなく高用量薬物も多く存在し, 調製の難しさや, 味, 携帯性が問題となってくる. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.16-00261 |