入院中の患児に対する2種類の服薬補助食品の有用性に関する調査

「緒言」小児の服薬の援助においては, 薬剤の苦みや匂い, 口あたりなどを理由として困難をともなうことが多く, 治療の遂行の妨げとなり得る. 小児の嗜好にあった飲みやすい製剤の開発が望まれるが, 小児用製剤は, 成人用製剤との需要量の差や適応症例の差などを理由として, 世界的に不足している状況にある. 製薬会社の小児用製剤の開発の推進のために, なんらかのインセンティブを付加するべきとの指摘があるものの, 現在においても対応状況は十分とは言えない. そのため, これまで小児の服薬の困難さに対しては, 主に保護者によって, 様々な方法が工夫されてきた. 小児の服薬の困難さに関して, 鶴居らは, 散...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 139; no. 6; pp. 939 - 953
Main Authors 間藤, 卓, 松井, 悠子, 長田, 浩平, 土屋, 守克, 荒川, 浩, 亀井, 優徳, 髙橋, 誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.06.2019
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.18-00152

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Summary:「緒言」小児の服薬の援助においては, 薬剤の苦みや匂い, 口あたりなどを理由として困難をともなうことが多く, 治療の遂行の妨げとなり得る. 小児の嗜好にあった飲みやすい製剤の開発が望まれるが, 小児用製剤は, 成人用製剤との需要量の差や適応症例の差などを理由として, 世界的に不足している状況にある. 製薬会社の小児用製剤の開発の推進のために, なんらかのインセンティブを付加するべきとの指摘があるものの, 現在においても対応状況は十分とは言えない. そのため, これまで小児の服薬の困難さに対しては, 主に保護者によって, 様々な方法が工夫されてきた. 小児の服薬の困難さに関して, 鶴居らは, 散剤が処方された1-6歳の外来患児の保護者を対象に質問紙調査を行い, 散剤を嫌がって飲めない患児は25%であり, その理由の88%が「苦い」であったことを報告している. また毎田らは, 薬局において小児用調剤薬受領者を対象に質問紙調査を行い, 対象の半数以上が「飲ませにくい」, 「使いにくい」などのトラブルを経験しており, 薬剤を水やお湯, あるいはそのまま服用している患児は約30%に過ぎなかったことを報告している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00152