高脂肪・高コレステロール食負荷による肝臓薬物代謝酵素への影響

「序論」非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease; NAFLD), さらにはNAFLDが進展した非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis; NASH)は近年, 世界中で広まっている. NASHは, 脂肪変性, 炎症, 肝細胞障害(風船様変性)を特徴とし, 将来的に肝硬変や肝がんを発症することが知られている. NASHの根本的な治療法は現在も確立しておらず, 食事や運動療法が中心となっている. しかしながら, NASH患者は肥満, 脂質代謝異常症, 糖尿病などを罹患していることが多いため, これらの...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 9; pp. 1297 - 1305
Main Authors 梅垣, 敬三, 佐藤, 陽子, 千葉, 剛, 鈴木, 祥菜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.09.2016
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.16-00034

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Summary:「序論」非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease; NAFLD), さらにはNAFLDが進展した非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis; NASH)は近年, 世界中で広まっている. NASHは, 脂肪変性, 炎症, 肝細胞障害(風船様変性)を特徴とし, 将来的に肝硬変や肝がんを発症することが知られている. NASHの根本的な治療法は現在も確立しておらず, 食事や運動療法が中心となっている. しかしながら, NASH患者は肥満, 脂質代謝異常症, 糖尿病などを罹患していることが多いため, これらの疾患に対して薬物治療が行われる. 具体的には, 高脂血症治療薬(スタチンやプロブコールなど), インスリン抵抗性改善薬(メトホルミンやチアゾリジンなど), 血糖降下薬(トルブタミドなど)などが用いられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00034