頭頸部癌におけるセツキシマブによる間質性肺炎

2013年から2016年の3年間にセツキシマブ (Cetuximab, Cmab) を投与した頭頸部癌88症例のうち, 7症例 (8.0%) が間質性肺炎を発症した. 有害事象グレード3以上の重症は4症例で, 3症例 (3.4%) が死亡した. Cmab 治療が奏効 (完全奏効または部分奏効) した43症例のうち, 間質性肺炎は7症例 (16.3%) に発症し, 5症例は導入化学療法後に Cmab 併用放射線照射で根治を目指したプロトコールであった. Cmab 治療効果が不変もしくは悪化の45症例では生じなかった (0%). 治療強度が高いプロトコール, 治療効果が高い症例ほど, 間質性肺炎に...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 12; pp. 1467 - 1472
Main Authors 坂倉, 浩一, 高安, 幸弘, 西岡, 由樹, 近松, 一朗, 桑原, 有紀, 紫野, 正人, 工藤, 毅, 高橋, 克昌, 井田, 翔太, 村田, 考啓, 新國, 摂, 高橋, 秀行, 岡本, 彩子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.12.2017
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.120.1467

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Summary:2013年から2016年の3年間にセツキシマブ (Cetuximab, Cmab) を投与した頭頸部癌88症例のうち, 7症例 (8.0%) が間質性肺炎を発症した. 有害事象グレード3以上の重症は4症例で, 3症例 (3.4%) が死亡した. Cmab 治療が奏効 (完全奏効または部分奏効) した43症例のうち, 間質性肺炎は7症例 (16.3%) に発症し, 5症例は導入化学療法後に Cmab 併用放射線照射で根治を目指したプロトコールであった. Cmab 治療効果が不変もしくは悪化の45症例では生じなかった (0%). 治療強度が高いプロトコール, 治療効果が高い症例ほど, 間質性肺炎に注意する必要がある.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.120.1467