重症院内肺炎治療への薬剤師の早期介入効果
「緒言」施設内感染症には, カテーテル関連血流感染や尿路感染及び肺炎など様々な種類の感染症がある. その中でも院内肺炎は, 「入院48時間以降に新しく出現した肺炎」と定義され, 重度の患者において極めて発症頻度が高く, 最も死亡率が高い施設内感染症である. 1)わが国では, 2008年に「成人院内肺炎診療ガイドライン」が発表され, 生命予後を予測する指標としての肺炎の重症度分類が設定された. その重症度分類では, 「悪性腫瘍又は免疫不全状態」, 「意識レベルの低下」, 「SpO2>90%を維持するためにFiO2>35%を要する」, 「男性70歳以上, 女性75歳以上」, 「乏尿又は...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 2; pp. 283 - 288 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.02.2013
日本薬学会 |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.12-00257 |
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Summary: | 「緒言」施設内感染症には, カテーテル関連血流感染や尿路感染及び肺炎など様々な種類の感染症がある. その中でも院内肺炎は, 「入院48時間以降に新しく出現した肺炎」と定義され, 重度の患者において極めて発症頻度が高く, 最も死亡率が高い施設内感染症である. 1)わが国では, 2008年に「成人院内肺炎診療ガイドライン」が発表され, 生命予後を予測する指標としての肺炎の重症度分類が設定された. その重症度分類では, 「悪性腫瘍又は免疫不全状態」, 「意識レベルの低下」, 「SpO2>90%を維持するためにFiO2>35%を要する」, 「男性70歳以上, 女性75歳以上」, 「乏尿又は脱水」の5項目が設定されており, その該当項目数に応じて軽症群, 中等症群, 重症群の3群に分類される. その中でも, 重症群の死亡率は極めて高く, 40.8%と報告されている. 1)現在, 感染症治療において薬物動態学(pharmacokinetics; PK)及び薬力学(pharmacodynamics; PD)に基づく抗菌薬の適正使用が推進され, 臨床現場で広く認識されるようになった. 2) |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.12-00257 |