中学生の朝食欠食者における食生活改善への準備性からみた変容ステージ及び食事摂取状況の特徴

【目的】中学生の朝食欠食者における食生活改善への準備性からみた変容ステージと食事摂取状況の特徴について明らかにすること。【方法】兵庫県の公立中学校(2校)に在籍する2年生325名を対象とした。朝食欠食者は,「朝食を毎日食べる」の質問に対し,二者択一で回答させ,変容ステージは,Transtheoretical Modelに基づいた5段階の選択肢から決定した。食事摂取状況には,半定量食物摂取頻度調査票を用いた。朝食欠食と変容ステージの関連は,従属変数を朝食欠食の有無,独立変数を変容ステージ,性別と家族構成を調整因子として二項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】朝食欠食者の変容ステージが前熟考期...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 78; no. 3; pp. 112 - 120
Main Author 木林, 悦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.06.2020
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.78.112

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Summary:【目的】中学生の朝食欠食者における食生活改善への準備性からみた変容ステージと食事摂取状況の特徴について明らかにすること。【方法】兵庫県の公立中学校(2校)に在籍する2年生325名を対象とした。朝食欠食者は,「朝食を毎日食べる」の質問に対し,二者択一で回答させ,変容ステージは,Transtheoretical Modelに基づいた5段階の選択肢から決定した。食事摂取状況には,半定量食物摂取頻度調査票を用いた。朝食欠食と変容ステージの関連は,従属変数を朝食欠食の有無,独立変数を変容ステージ,性別と家族構成を調整因子として二項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】朝食欠食者の変容ステージが前熟考期の割合は45.2%であった。食事摂取状況では,朝食欠食者において,男子では脂肪エネルギー比率が高く(p=0.017),女子ではカルシウム摂取量が低くなり(p=0.013),朝食欠食の有無との間に有意な関連が認められた。二項ロジスティック回帰分析をした結果,前熟考期における朝食欠食のオッズ比(95%信頼区間)は,準備・実行・維持期を基準として,2.61(1.02~6.71)と有意に高かった。【結論】中学2年生の朝食欠食者において,男子では脂肪エネルギー比率が高く,女子ではカルシウム摂取量が低いことが示唆された。また,食生活改善への準備性からみた変容ステージが前熟考期であることと朝食欠食には関連があることも示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.78.112