病院に勤務する管理栄養士の職務満足度とその関連要因に関する研究

【目的】病院に勤務する管理栄養士の職務満足度の現状を把握し,職務満足度に影響している要因を明らかにすることを目的とした。 【方法】福岡県の病院に勤務する管理栄養士を対象として,2011年10月に郵送法による自記式質問紙調査を実施した。自由記載欄を設けて質的データの収集も行った。「職務満足度」に影響を与える要因は重回帰分析等によって検討した。質的データはテーマ的コード化による分析を行った。 【結果】「職務満足度」の中央値(25~75パーセンタイル値)は62.0(50~76)/100点であった。単変量解析で「職務満足度」との有意な関連性が認められた項目は「年齢」(p=0.008),「患者とのコミュ...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 170 - 181
Main Authors 樋口, 善之, 徳永, 亜紀子, 渡辺, 啓子, 片桐, 義範, 水元, 芳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2015
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.73.170

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Summary:【目的】病院に勤務する管理栄養士の職務満足度の現状を把握し,職務満足度に影響している要因を明らかにすることを目的とした。 【方法】福岡県の病院に勤務する管理栄養士を対象として,2011年10月に郵送法による自記式質問紙調査を実施した。自由記載欄を設けて質的データの収集も行った。「職務満足度」に影響を与える要因は重回帰分析等によって検討した。質的データはテーマ的コード化による分析を行った。 【結果】「職務満足度」の中央値(25~75パーセンタイル値)は62.0(50~76)/100点であった。単変量解析で「職務満足度」との有意な関連性が認められた項目は「年齢」(p=0.008),「患者とのコミュニケーション自己評価」(p=0.001),「他職種とのコミュニケーション自己評価」,「同職種との業務上のコミュニケーション自己評価」,「栄養補給法に関する業務の自己評価」,「栄養指導業務の自己評価」,「チーム医療に関する業務の自己評価」(いずれもp<0.001)であり,これらの変数を投入して行った重回帰分析において,最も影響力の大きい項目は「同職種との業務上のコミュニケーション自己評価」であった(β=0.247,p<0.001)。質的データ分析からは,同職種との良好なコミュニケーションが他職種,および患者とのコミュニケーションをサポートしていることが示唆された。 【結論】本研究では複数の項目が管理栄養士の職務満足度に関連しており,職務満足度に最も影響を与えていた項目は同職種との業務上のコミュニケーション自己評価であった。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.73.170