経口的腫瘍切除術および導入化学療法による下咽頭癌喉頭温存治療の成績

当院では下咽頭癌 T1/T2 症例に対して経口的切除術を, T2/T3 症例にドセタキセルを用いた導入化学療法を行ってきた. 下咽頭癌の喉頭温存の現状を明らかにすることを目的として検討を行った. 下咽頭癌83例を後ろ向きに解析した. 原発の亜部位は PS 61例, PW 13例, PC 9例であった. T 分類は T1/T2/T3/T4 がそれぞれ14/29/23/17例であった. 治療としては, T1 に対しては経口的切除, 放射線治療が, T2 に対しては放射線治療, 導入化学療法+放射線治療, 部分切除が, T3 に対しては導入化学療法+放射線治療, 咽喉食摘が, T4 に対しては咽喉食...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 9; pp. 1118 - 1123
Main Authors 朝蔭, 孝宏, 斉藤, 祐毅, 安藤, 瑞生, 小村, 豪, 山岨, 達也, 吉田, 昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.1118

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Summary:当院では下咽頭癌 T1/T2 症例に対して経口的切除術を, T2/T3 症例にドセタキセルを用いた導入化学療法を行ってきた. 下咽頭癌の喉頭温存の現状を明らかにすることを目的として検討を行った. 下咽頭癌83例を後ろ向きに解析した. 原発の亜部位は PS 61例, PW 13例, PC 9例であった. T 分類は T1/T2/T3/T4 がそれぞれ14/29/23/17例であった. 治療としては, T1 に対しては経口的切除, 放射線治療が, T2 に対しては放射線治療, 導入化学療法+放射線治療, 部分切除が, T3 に対しては導入化学療法+放射線治療, 咽喉食摘が, T4 に対しては咽喉食摘, 化学放射線療法が主に行われた. T1/T2/T3/T4 における治療5年時の喉頭温存率はそれぞれ100%/73%/39%/35%であった. 今回の方法で生存率を落とすことなく, 喉頭温存率を改善することができた. しかし T3 症例では再発, 原病死が多く治療強度を上げる必要があると考えた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.1118