鎖骨遠位端骨折にScorpion plateを用いた3例

鎖骨遠位端骨折では近位骨片が上方に,遠位骨片が下方に転位するが,小さな遠位骨片をいかに固定するかが大きな課題である.これまでは肩鎖関節を跨いでk-wireやplateで固定する方法も行われてきたが,術後の折損を予防するために運動制限を要した.これに対して肩鎖関節を跨がずに遠位骨片にscrewと前後から挟み込むhookを併用できるScorpion plateは,この課題を解決する目的で開発された.当院でScorpion plateを用いた鎖骨遠位端骨折の3例について報告する.症例の平均年齢は59.0歳.男性1例,女性2例.Craig分類のtype 2Bが1例,type 5が2例であった.内固定に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 1; pp. 51 - 54
Main Authors 朝倉, 透, 松浦, 恒明, 大江, 健次郎, 進, 訓央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.51

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Summary:鎖骨遠位端骨折では近位骨片が上方に,遠位骨片が下方に転位するが,小さな遠位骨片をいかに固定するかが大きな課題である.これまでは肩鎖関節を跨いでk-wireやplateで固定する方法も行われてきたが,術後の折損を予防するために運動制限を要した.これに対して肩鎖関節を跨がずに遠位骨片にscrewと前後から挟み込むhookを併用できるScorpion plateは,この課題を解決する目的で開発された.当院でScorpion plateを用いた鎖骨遠位端骨折の3例について報告する.症例の平均年齢は59.0歳.男性1例,女性2例.Craig分類のtype 2Bが1例,type 5が2例であった.内固定には3例ともScorpion plateに鎖骨遠位端からのk-wireを2本追加し,type 5の2例にはさらに烏口鎖骨靱帯に付着する骨片をfiber wireで締結した.術後経過はいずれも良好で骨癒合が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.51