α1-Acid glycoproteinを指標とした新たなドセタキセル投与量選択基準の提唱

「緒言」抗悪性腫瘍薬を用いた化学療法では骨髄抑制を伴うことが多く, 白血球減少とそれに伴う発熱をコントロールすることが, 臨床上重要であることから, 抗悪性腫瘍薬の投与量と白血球減少及び発熱についてのpharmacokinetic/pharmacodynamic(PK/PD)研究が行われている. 特に, タキソイド系抗悪性腫瘍薬であるドセタキセルは, 主に医薬品開発時のデータを用いて, 母集団薬物動態/薬力学(PPK/PPD)解析の手法により臨床効果及び副作用と投与量の関係について考察が幅広く行われてきた. 1-3) しかしながら, ドセタキセルは投与量調節が必要な薬剤であるにもかかわらず,...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 12; pp. 1565 - 1572
Main Authors 南, 博信, 小澤, 和弘, 佐藤, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2009
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.1565

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Summary:「緒言」抗悪性腫瘍薬を用いた化学療法では骨髄抑制を伴うことが多く, 白血球減少とそれに伴う発熱をコントロールすることが, 臨床上重要であることから, 抗悪性腫瘍薬の投与量と白血球減少及び発熱についてのpharmacokinetic/pharmacodynamic(PK/PD)研究が行われている. 特に, タキソイド系抗悪性腫瘍薬であるドセタキセルは, 主に医薬品開発時のデータを用いて, 母集団薬物動態/薬力学(PPK/PPD)解析の手法により臨床効果及び副作用と投与量の関係について考察が幅広く行われてきた. 1-3) しかしながら, ドセタキセルは投与量調節が必要な薬剤であるにもかかわらず, therapeutic drug monitoring(TDM)の対象外であるため, 日常診療時にPK/PDに基づく投与設計を行うことは困難であり, 臨床医の経験で投与量調整をするのが現状であった. それゆえ, 血中濃度が未知の状態でも, 適切な投与量を選択する手法が望まれていた.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.1565