混合性結合織病に肺サルコイドーシスを合併した1例

症例は69歳の女性. 混合性結合織病, 自己免疫性肝炎で前医を通院中, 胸部CTにて肺野に多発結節影を認めた. 縦隔・肺門リンパ節に明らかな腫大はないものの, 気管支血管束の肥厚を認め肺サルコイドーシスが疑われた. 2回にわたりTBLBを施行したが確定診断に至らず, 胸腔鏡下肺生検を施行した. 結節部の組織は肺内リンパ節に相当して, このリンパ節及び周囲の肺内に類上皮細胞肉芽腫を認めた. 診断基準に照らし肺サルコイドーシスと診断した. またCT上, 下葉の胸膜直下にすりガラス影を認め, この部分の組織所見はfibrotic-NSIPであった. この所見は混合性結合織病による問質性肺炎の合併と考...

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Published inNIHON SARUKOIDOSHISU / NIKUGESHUSHIKKAN (The Japanese journal of sarcoidosis and other granulomatous disorders ) Vol. 26; no. 1; pp. 69 - 73
Main Authors 遠藤, 高広, 小倉, 高志, 矢澤, 卓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2006
Japan Society of Sarcoidosis and other Granulomatous Disorders
Subjects
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ISSN1345-0565
1884-6122
DOI10.14830/jssog1999.26.69

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Summary:症例は69歳の女性. 混合性結合織病, 自己免疫性肝炎で前医を通院中, 胸部CTにて肺野に多発結節影を認めた. 縦隔・肺門リンパ節に明らかな腫大はないものの, 気管支血管束の肥厚を認め肺サルコイドーシスが疑われた. 2回にわたりTBLBを施行したが確定診断に至らず, 胸腔鏡下肺生検を施行した. 結節部の組織は肺内リンパ節に相当して, このリンパ節及び周囲の肺内に類上皮細胞肉芽腫を認めた. 診断基準に照らし肺サルコイドーシスと診断した. またCT上, 下葉の胸膜直下にすりガラス影を認め, この部分の組織所見はfibrotic-NSIPであった. この所見は混合性結合織病による問質性肺炎の合併と考えられた. 今回, 混合性結合織病に合併した肺サルコイドーシスを経験した. 近年, シェーグレン症候群を初めとして, 膠原病合併のサルコイドーシスの報告が散見されるが, 混合性結合織病との合併は非常にまれであった.
ISSN:1345-0565
1884-6122
DOI:10.14830/jssog1999.26.69