適応回復プロセスに対応したレジリエンス要因の抽出
「問題と目的」精神的回復力とも呼ばれるレジリエンス (resilience) は, 困難な状況における心身の健康状態や社会適応に関わる複合的な概念である. 小塩 (2012) は, (a) (困難な) 出来事生起以前, (b) 困難・脅威をもたらす出来事の生起, (c) 回復途中, (d) 回復の完了の4段階からなる適応回復プロセスと, (e) それぞれの段階に影響する要因 (以下, レジリエンス要因) の関係によって, レジリエンスという複合的な概念を説明するモデルを示している. レジリエンスに関するレビュー論文においても, 「回復のプロセス」という時間軸を組み入れることにより, レジリエン...
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Published in | パーソナリティ研究 Vol. 31; no. 1; pp. 35 - 38 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
01.07.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1348-8406 1349-6174 |
DOI | 10.2132/personality.31.1.6 |
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Summary: | 「問題と目的」精神的回復力とも呼ばれるレジリエンス (resilience) は, 困難な状況における心身の健康状態や社会適応に関わる複合的な概念である. 小塩 (2012) は, (a) (困難な) 出来事生起以前, (b) 困難・脅威をもたらす出来事の生起, (c) 回復途中, (d) 回復の完了の4段階からなる適応回復プロセスと, (e) それぞれの段階に影響する要因 (以下, レジリエンス要因) の関係によって, レジリエンスという複合的な概念を説明するモデルを示している. レジリエンスに関するレビュー論文においても, 「回復のプロセス」という時間軸を組み入れることにより, レジリエンスについて焦点化された議論が可能になること (Bonanno, Romero, & Klein, 2015) や, レジリエンスの向上を目指す介入においては, ストレッサーに曝される前, 曝されている最中, 曝された後という3つの段階に対応した内容で計画することの有用性が指摘されている (Chmitorz et al., 2018) . |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.31.1.6 |