小学4~6年生を対象とした調理動画とフィードバックを提供する調理体験プログラムのセルフエスティーム向上効果—準実験デザインによる検証
目的:児童を対象とした調理動画とフィードバック提供を合わせた調理体験プログラムによるセルフエスティーム(以下SEとする)向上効果を明らかにすること.方法:準実験デザインにて,2021年7~8月に熊本市内の小学4~6年生を対象に全5回のプログラムを行った.介入群24名には,食材と調理操作を解説した動画を提供した.参加者には,調理後に振り返りシートを提出させ,振り返りシートの内容を踏まえてフィードバックのメッセージを送った.対照群29名には,食材と紙のレシピのみを提供した.プロセス評価は,各回終了後に行い調理の難易度等をたずねた.プログラムの効果は,プログラム参加前後のSEの変化から評価した.SE...
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Published in | 日本健康教育学会誌 Vol. 31; no. 2; pp. 56 - 65 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康教育学会
31.05.2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
DOI | 10.11260/kenkokyoiku.31.56 |
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Summary: | 目的:児童を対象とした調理動画とフィードバック提供を合わせた調理体験プログラムによるセルフエスティーム(以下SEとする)向上効果を明らかにすること.方法:準実験デザインにて,2021年7~8月に熊本市内の小学4~6年生を対象に全5回のプログラムを行った.介入群24名には,食材と調理操作を解説した動画を提供した.参加者には,調理後に振り返りシートを提出させ,振り返りシートの内容を踏まえてフィードバックのメッセージを送った.対照群29名には,食材と紙のレシピのみを提供した.プロセス評価は,各回終了後に行い調理の難易度等をたずねた.プログラムの効果は,プログラム参加前後のSEの変化から評価した.SEの評価は,信頼性と妥当性が確認された尺度(得点範囲8~32点)を用いた.日程上の都合により途中で辞退した者などを除き,介入群23名と対照群28名を解析対象とした.結果:性別,学年および参加前のSEに群間差はなかった.プロセス評価の結果は,両群ともに概ね良好であった.介入群のSEの中央値(25, 75パーセンタイル値)は,プログラム参加前23.0(21.0, 25.0)と比べて参加後25.0(20.0, 28.0)は有意に高値であった(P=0.022).一方,対照群のSEに変化は認められなかった.結論:調理動画とフィードバックを提供する調理体験プログラムは,小学4~6年生のSEを高める効果を有する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
DOI: | 10.11260/kenkokyoiku.31.56 |