ステロイドパルスおよび血漿交換療法に無反応であったミトコンドリア遺伝子変異を有する視神経炎の1例

39歳男性.初診時,左眼視力光覚,眼球運動時痛あり,相対的瞳孔求心路障害陽性,造影MRIにて視交叉近傍に高輝度の炎症領域を認め視神経炎の診断となった.既往歴,家族歴に特記すべきこと.ステロイドパルス3クール,及び血漿交換療法を併施するも左眼視力は不変であった.各種自己抗体は陰性であったが,ミトコンドリア遺伝子11778塩基対変異を認めた.発症4年後も患眼は光覚,僚眼は視機能を維持している. 本症は視神経炎としても非典型的で,レーベル遺伝性視神経症としても臨床的特徴は合致しなかった.難治性の視神経疾患では基礎にミトコンドリア遺伝子塩基対変異を有する可能性があることを念頭に入れる必要がある....

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Published in神経眼科 Vol. 37; no. 4; pp. 418 - 422
Main Authors 庄司, 信行, 金山, 俊介, 龍井, 苑子, 石川, 均, 後関, 利明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.12.2020
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.37.418

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Summary:39歳男性.初診時,左眼視力光覚,眼球運動時痛あり,相対的瞳孔求心路障害陽性,造影MRIにて視交叉近傍に高輝度の炎症領域を認め視神経炎の診断となった.既往歴,家族歴に特記すべきこと.ステロイドパルス3クール,及び血漿交換療法を併施するも左眼視力は不変であった.各種自己抗体は陰性であったが,ミトコンドリア遺伝子11778塩基対変異を認めた.発症4年後も患眼は光覚,僚眼は視機能を維持している. 本症は視神経炎としても非典型的で,レーベル遺伝性視神経症としても臨床的特徴は合致しなかった.難治性の視神経疾患では基礎にミトコンドリア遺伝子塩基対変異を有する可能性があることを念頭に入れる必要がある.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.37.418