眼瞼腫脹,複視で発見されたマントル細胞リンパ腫の一症例

マントル細胞リンパ腫(MCL)の約70%は節外病変を有するが,眼球付属器の発症は稀である.今回,眼瞼に発生したMCLの一例を経験したので報告する. 66歳,男性.右眼瞼下垂を主訴に近医を受診し,精査目的に当科を紹介された.初診時,右眼瞼腫脹,上斜視,右眼上転制限と,複視がみられた.頭部MRIで両眼瞼に結膜下病変を認め,生検部位からマントル細胞リンパ腫と診断し,当院血液内科で化学療法を開始した.1か月後に眼瞼腫脹は改善し,複視は消失した.眼病変から見つかるMCLの頻度は稀であるが,眼瞼腫脹や複視が見られた場合,MCLも鑑別の一つとして考慮に入れるべきと考える....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神経眼科 Vol. 40; no. 2; pp. 132 - 136
Main Authors 清水, 美穂, 宮部, 靖子, 木下, 貴正, 今泉, 寛子, 小林, 賢治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.06.2023
Online AccessGet full text
ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.40.132

Cover

More Information
Summary:マントル細胞リンパ腫(MCL)の約70%は節外病変を有するが,眼球付属器の発症は稀である.今回,眼瞼に発生したMCLの一例を経験したので報告する. 66歳,男性.右眼瞼下垂を主訴に近医を受診し,精査目的に当科を紹介された.初診時,右眼瞼腫脹,上斜視,右眼上転制限と,複視がみられた.頭部MRIで両眼瞼に結膜下病変を認め,生検部位からマントル細胞リンパ腫と診断し,当院血液内科で化学療法を開始した.1か月後に眼瞼腫脹は改善し,複視は消失した.眼病変から見つかるMCLの頻度は稀であるが,眼瞼腫脹や複視が見られた場合,MCLも鑑別の一つとして考慮に入れるべきと考える.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.40.132